パートタイムで働いている方にとって、妊娠・出産に伴う社会保険や育休の制度は不透明な部分が多く、不安を感じる方も少なくありません。この記事では、パート勤務でも育児休業給付金が受け取れる条件や、扶養との関係について詳しく解説します。
パート勤務でも育休制度は利用できる?
原則として、雇用保険に加入している労働者であれば、パート勤務であっても育児休業を取得することが可能です。会社によって制度の運用が異なることもあるため、まずは就業規則や人事部への確認が重要です。
週20時間以上働いており、31日以上の雇用見込みがある方は、雇用保険加入の対象となっていることが多く、これが育児休業給付金の支給対象となるための前提条件になります。
育児休業給付金を受け取るための条件
育児休業給付金を受給するためには、以下のような条件を満たす必要があります。
- 雇用保険に加入している
- 育休開始日から過去2年間に賃金支払い基礎日が11日以上ある月が12カ月以上ある
- 育休後も引き続き雇用される予定がある
これらを満たしていないと、たとえ妊娠・出産しても給付金の対象外となってしまうので注意しましょう。
妊娠を機に扶養に入るとどうなる?
妊娠を理由に会社を辞めたり、雇用保険を抜けて夫の扶養に入ってしまうと、育児休業給付金の支給対象から外れてしまいます。育休を取得し、給付金を受け取るには、出産前も出産後も雇用関係を維持し続ける必要があります。
また、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している場合は、産休・育休中の保険料が免除されるため、実質的な負担は減ります。
復職後に扶養に入ることはできる?
育休明けに職場へ復帰した後、勤務時間や収入を減らす場合は、夫の扶養に入ることが可能です。目安としては、年収130万円未満(月10万8,333円未満)であれば、扶養内に収まります。
たとえば復帰後は週3日勤務などにシフトし、扶養範囲で働く選択肢もあります。その際は会社に相談し、勤務時間・収入の管理をしてもらうことが大切です。
パートで働くママにとっての制度活用例
事例1:週5日・7時間勤務のAさんは、雇用保険に加入済み。産前産後休業を経て、育児休業を取得。給付金を受け取りながら育児に専念し、1年後に復職。
事例2:Bさんは妊娠を機に扶養に入りたかったが、給付金を受け取るには雇用保険の継続が必要と知り、出産までは働き続けることを選択。出産後に退職し、扶養に切り替え。
まとめ:扶養と育休は両立できないケースもある
パート勤務であっても、条件を満たせば育児休業給付金を受け取ることは可能です。ただし、雇用保険を抜ける(扶養に入る)ことで給付金の権利が失われるため、制度の理解とタイミングがとても重要です。まずは会社に制度の有無を確認し、必要ならば社会保険労務士などの専門家にも相談して、納得のいく選択をしましょう。
コメント