年度途中で扶養を変更する場合の高齢者夫婦の税務対応ガイド|確定申告と扶養親族申告書の手続き方法

税金、年金

高齢の両親の扶養状況が変わると、所得控除や扶養親族申告書の取り扱いに悩む方も多いものです。とくに年金受給者である父親が、母親を扶養に入れるべきかどうか、またその際の必要な手続きが気になるケースはよくあります。この記事では、年度途中で扶養変更が発生した場合の税務・年金上の対応について、わかりやすく解説します。

年度途中の扶養変更は何が問題になるのか

所得税や住民税における扶養控除は、その年の12月31日時点で誰を扶養していたかが判断基準になります。一方、年金受給者が提出する「扶養親族等申告書」は、翌年度の住民税額を決定するために活用されるもので、その年の秋ごろに提出することが多いです。

つまり、年度途中で扶養親族に変更があった場合は「確定申告」と「翌年度分の扶養親族申告」の2つの対応が必要になることがあります。

年金受給者である父親がすべき手続き

母が兄の扶養から外れることになった場合、年金受給者である父親が行うべき基本的な手続きは次の2つです。

  • 令和7年分の確定申告で配偶者控除を申告する
  • 令和8年度用の扶養親族等申告書で母を扶養親族として申告する

この2つを正しく行えば、税務上の扶養控除を適用することが可能となります。

確定申告で配偶者控除を受ける条件とは

父が確定申告で配偶者控除を受けるには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 母の合計所得金額が48万円以下であること(公的年金なら年収約158万円以下)
  • 生計を一にしていること(同居または生活費の援助など)

たとえ途中から扶養に入ったとしても、12月31日時点で母が父と同一生計にあり、他に扶養している人がいない場合は控除の対象となります。

扶養親族等申告書での申告方法

毎年秋頃、年金事務所から送付される「扶養親族等申告書」は、翌年度の住民税額を決めるために提出します。令和7年中に母を扶養するようになった場合、令和8年度用の申告書で母を扶養親族として記載すれば、翌年の住民税に配慮されます。

この書類は提出しないと非課税枠が適用されず、源泉徴収税額が多くなってしまうこともあるため、忘れずに記入・提出しましょう。

注意すべきその他のポイント

税務署や市区町村に相談する際は、母の年間所得の証明(源泉徴収票や公的年金の通知書)を持参するとスムーズに話が進みます。

また、扶養変更のタイミングが年の終わりに近い場合は、変更の届出が来年の手続きに反映される可能性もあるため、住民税に関しても念のため自治体に確認することをおすすめします。

まとめ:確定申告と扶養親族申告の両対応で控除を確実に

母が兄の扶養から外れる場合、年金受給者である父親は、令和7年分の確定申告で配偶者控除を申請し、さらに令和8年度用の扶養親族等申告書で母を扶養親族として届け出ることで、税控除の適用を受けられます。

一見ややこしく見える制度ですが、各手続きを正しく行えば問題なく扶養変更を反映させることができます。ご家族で協力して、適切なタイミングで対応しましょう。

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