退職後、配偶者の扶養に入る場合「国民健康保険や国民年金の手続きが必要なのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。社会保険をやめてすぐに手続きを怠ると、思わぬ出費やトラブルにつながることも。この記事では、フルタイムで社会保険に加入していた人が退職後に扶養へ切り替える際の手続きについて、わかりやすく解説します。
社会保険をやめた後の健康保険の選択肢
退職すると、健康保険と年金の扱いが大きく変わります。まず、健康保険に関しては以下の3つの選択肢があります。
- ①配偶者の扶養に入る(被扶養者になる)
- ②国民健康保険に加入する
- ③任意継続被保険者として前職の保険を継続する
配偶者の会社の健康保険に扶養として入る場合、国民健康保険への加入手続きは不要です。ただし、その手続きが完了するまでの間、空白期間がないよう注意しましょう。
扶養に入るための条件とは?
配偶者の扶養に入るには、以下の要件を満たす必要があります。
- 年間収入が130万円未満(60歳以上や障害者は180万円未満)
- 主に配偶者の収入で生活していると認められる
- 失業手当や一時的な収入も加味される可能性がある
要件を満たせば、配偶者の勤務先を通じて「健康保険被扶養者(異動)届」を提出します。このとき、退職後の資格喪失証明書が必要になります。
年金制度の扱いも注意が必要
退職と同時に厚生年金の加入資格も失います。このときも選択肢は以下のとおりです。
- ①配偶者の扶養に入り「国民年金の第3号被保険者」になる
- ②自分で「国民年金の第1号被保険者」として加入・保険料を納付
第3号被保険者になれば、国民年金の保険料は自己負担なしでカバーされます。つまり、年金の手続きも不要で、配偶者の勤務先が行うことになります。
実際の手続きの流れ
扶養に入りたい場合の実務的な流れは以下のとおりです。
- 会社から「健康保険資格喪失証明書」を受け取る
- 配偶者の勤務先に扶養申請を依頼
- 必要書類(住民票・所得証明・喪失証明書など)を提出
- 審査を通過すれば扶養に登録される
この間、国民健康保険の加入を市区町村から求められることがありますが、「扶養に入る予定」であることを伝えれば猶予が認められるケースもあります。
手続きが遅れたらどうなる?
扶養の手続きが遅れると、国民健康保険や国民年金の加入・納付義務が発生してしまう可能性があります。また、医療費が全額自己負担になるリスクもあるため、できるだけ早めに会社と連携して申請を行うことが重要です。
まとめ:配偶者の扶養に入るときは段取りが重要
退職後に配偶者の扶養に入る場合、国民健康保険・年金の手続きは原則不要ですが、「扶養申請」という別の手続きが必要になります。ポイントは、退職の証明書を早めに受け取り、配偶者の勤務先とスムーズに連携することです。将来的なトラブルを防ぐためにも、分からない点は会社の人事や年金事務所に相談してみましょう。
コメント