退職後は健康保険の切り替えが必要になりますが、制度が複雑でわかりにくいと感じる方も多いでしょう。今回は、「親の扶養に戻りたい」「区役所に行ける日が限られている」といった悩みを抱える方のために、健康保険の切り替え方法をわかりやすく解説します。
退職後の健康保険の選択肢
退職後の健康保険には、主に以下の3つの選択肢があります。
- ①親や配偶者などの扶養に入る(被扶養者)
- ②国民健康保険に加入する
- ③任意継続(会社の健康保険を最長2年間継続)
それぞれにメリット・デメリットがありますが、今回は「親の扶養に戻る」ケースを中心に説明します。
親の扶養に戻るための手続きとは?
親が会社員で社会保険に加入している場合、退職後に被扶養者として扶養に入ることが可能です。これは会社の健康保険組合で管理されており、役所ではなく、お父様の勤務先の総務・人事部門が手続きを行います。
手続きに必要な主な書類は以下の通りです。
- 退職日が確認できる書類(雇用保険の離職票や喪失証明書)
- 扶養に入る方の住民票や続柄がわかる書類
- 収入証明(収入が130万円未満であることを示すもの)
この手続きは5日以内が原則ですが、遅れても事情を伝えれば受理されるケースが多いため、まずはお父様の勤務先に相談しましょう。
喪失証明書が遅れる場合の対処法
退職証明書や喪失証明書は、退職後1週間〜10日ほどかかることが一般的です。そのため、扶養手続きを急ぐ場合は、会社に電話して早めに発行をお願いしましょう。
また、扶養手続きが完了するまでは保険証が発行されないため、その間に医療機関を受診する場合は、10割負担で支払い後に払い戻しを受ける形になります。
区役所での国民健康保険加入との違い
親の扶養に入れない、または手続きに時間がかかる場合は、一時的に国民健康保険に加入することも選択肢の一つです。国民健康保険はお住まいの市区町村が運営しており、役所で加入手続きができます。
ただし、保険料は所得に応じて変動するため、無職・収入がない状態でも一定額がかかる点に注意が必要です。扶養に入れたら国保を脱退する形になります。
明日しか動けない場合のおすすめ対応
9日にしか区役所に行けない場合は、一旦国民健康保険に仮加入しておくのが無難です。保険証が発行されるため、面接や医療機関に備えることができます。
その後、喪失証明書が届いたら改めて親の会社に扶養手続きを依頼し、国保を脱退すれば二重払いにはなりません。国保の保険料は日割りになるので、損を最小限に抑えられます。
まとめ:焦らず順を追って手続きを
退職後の健康保険は以下の順で対応するのがおすすめです。
- 会社に喪失証明書を早めに依頼
- 9日に区役所で国保加入して保険証を確保
- 親の会社へ扶養申請→承認後に国保脱退
社会保険制度は複雑ですが、焦らず落ち着いて対応すれば大丈夫です。不安な場合は役所やお父様の勤務先に直接電話で相談してみましょう。
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