社会保険加入の条件とは？有給消化を含めた週20時間超・月収88,000円以上の場合の扱いを解説

パートやアルバイトで働く人にとって、「社会保険に入る必要があるかどうか」は非常に気になるポイントです。特に有給休暇を使った場合の労働時間のカウントや収入基準との関係は、誤解されやすいテーマでもあります。この記事では、社会保険の加入基準と有給休暇を含めた場合の扱いについて、具体的に解説していきます。

社会保険の加入条件とは？

一般的に、パート・アルバイトなど短時間労働者が社会保険（健康保険・厚生年金）に加入するためには、以下の5つの条件をすべて満たす必要があります。

これらの要件を満たした場合、企業側には加入手続きを行う義務が発生します。

ポイントとなるのは、有給休暇を使用した日も「労働時間」として扱われるという点です。つまり、有給を使って1週間の就業実績が20時間を超えていれば、それは条件①を満たすことになります。

たとえば、週4日×5時間＝20時間勤務の契約をしている方が、有給を使って1日休んでも、労働時間として計上されます。つまり、有給を含めた「所定労働時間」で週20時間を超えていれば、社保加入対象になる可能性があるということです。

条件②の「月収88,000円以上」には、基本給のほかに以下のような手当も含まれます。

注意すべきは「手取り」ではなく「総支給額」で判断される点です。一時的でなく継続して基準を超える場合は、会社側から社会保険の手続きを促されることがあります。

実際には、1回限りの条件超過（例えば繁忙期にたまたま20時間を超えた、月収が88,000円を上回ったなど）であれば、すぐに社会保険に加入とはなりません。ただし、条件を満たす状態が「2か月以上」続く見込みがあると判断された場合、加入手続きの対象になる可能性が高いです。

そのため、継続的に就労条件を満たすような契約内容に変更した場合や、実績が続いている場合は注意が必要です。

社会保険に加入すると、以下のようなメリットがあります。

一方で、デメリットとしては、給与から健康保険・厚生年金が天引きされるため、手取りが減るという点があります。ただし、税制上の控除も受けられるため、トータルの負担は想像よりも軽くなる場合もあります。

有給休暇を含めて週20時間を超え、月収88,000円以上となった場合、社会保険の加入対象になる可能性が高いです。加入の判断は勤務先の規模や契約内容の継続性なども関係するため、状況に応じて総合的に判断されます。

加入条件を満たしていないか不安な場合は、会社の総務・人事部門に確認することをおすすめします。制度を正しく理解し、自分にとって最適な働き方を選んでいきましょう。