マイナ保険証を利用しない人向けに発行される「資格確認書」。これは、健康保険証の代わりとして医療機関を受診する際に必要な書類ですが、中には顔写真付きの本人確認書類も併せて提示を求められるケースがあります。一見すると不思議に思えるこの対応、実はそれなりの理由があります。本記事では「資格確認書」の正しい運用方法と、顔写真付き証明書が求められる背景について詳しく解説します。
資格確認書とは?その基本的な役割
資格確認書は、健康保険証をマイナンバーカードに一本化した「マイナ保険証」の導入に伴い、マイナカードを持たない人や事情があって登録していない人向けに発行される書類です。これは、従来の健康保険証と同じく、医療機関で保険診療を受けるための公的な証明書として利用されます。
したがって、資格確認書を持っていれば基本的には保険診療を問題なく受けることが可能です。資格確認書=保険適用される証明と理解してよいでしょう。
なぜ顔写真付き証明書の提示が求められるのか
一部の医療機関が資格確認書の提示に加えて「運転免許証」や「マイナンバーカード」など顔写真付きの本人確認書類を求める理由は、なりすまし受診防止の観点によるものです。
特に初診の際や、資格確認書に記載された情報だけで本人確認が難しいと判断された場合、病院側が独自の判断で追加の確認を行うことは法律上も問題ありません。厚生労働省も「医療機関の判断で必要に応じて本人確認書類の提示を求めることができる」としています。
実際に顔写真付き証明書を求められた例
ある地方のクリニックでは、初めて受診する患者が資格確認書のみを提示したところ、受付で「運転免許証かパスポートなど顔写真付きの本人確認書類の提示をお願いします」と言われたそうです。
患者が「資格確認書で十分なのでは?」と尋ねると、受付は「過去に本人ではない第三者が受診し、問題が発生した事例があったため、当院では独自のルールで追加確認を実施しています」と説明したとのこと。このように、病院側のリスク管理として行われることがあります。
資格確認書と本人確認の法的関係
資格確認書そのものには写真情報が含まれておらず、健康保険の資格は証明できても『本人であること』の証明には弱いという特性があります。そのため、医療機関が「本人確認」の一環として写真付き証明書の提出を求めるのは一定の合理性がある対応と言えます。
なお、これは診療拒否ではなく、あくまで本人確認強化措置であるため、患者側としてはできるだけ写真付き身分証も携帯しておくことが望ましいです。
顔写真付き証明書が用意できない場合は?
どうしても顔写真付きの証明書がない場合は、住民票や公共料金の支払明細書などを複数組み合わせて提示することで本人確認が行える場合があります。ただし、医療機関によって対応は異なるため、事前に受診予定の医療機関に問い合わせるのが確実です。
まとめ:資格確認書だけで診療は可能だが例外も
資格確認書は保険診療を受ける上で十分な書類ですが、医療機関によっては本人確認のために追加書類の提示を求められる場合があることも知っておきましょう。
トラブルを避けるためにも、顔写真付きの証明書を用意しておく、または事前に病院に確認を取っておくと安心です。患者と医療機関双方が安心してやり取りできるよう、情報を共有し合うことが大切です。
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