長期で資金を預けて利息を得る「定額定期貯金」。特にゆうちょ銀行をはじめとした大手金融機関は安全性が高い反面、利息の低さに驚かれる方も多いようです。この記事では、なぜ定期貯金の利子が少ないのか、その背景や仕組み、そして今後の資産形成に向けてどんな選択肢があるかをわかりやすく解説します。
なぜ利子が少ないのか?〜超低金利時代の影響
日本では長らく「超低金利政策」が続いています。これは景気刺激策として日本銀行が実施しているもので、銀行が預金者に支払う利子も極めて低く抑えられているのです。
たとえば、定額定期貯金の金利が「0.01%」だった場合、150万円を10年間預けた場合の利子は以下の通りです。
150万円 × 0.01% × 10年 = 1,500円(単利)
実際には半年複利で計算されるため、少し多くなるものの、それでも数千円レベルです。
税金も差し引かれるため、さらに利子は目減りする
利子には約20.315%の税金(所得税15.315%+住民税5%)がかかります。たとえば利子が6,010円なら、税引後の受取額は次のようになります。
6,010円 ×(1 – 0.20315) ≒ 4,790円
このように、元々少ない利子からさらに税金が引かれるため、「思ったより少ない」と感じるのも無理はありません。
定期貯金のメリットは「元本保証」と「安心感」
定期貯金の最大の魅力は「元本が保証されている」こと。預けた金額が減ることはなく、金融機関が破綻しても元本1,000万円とその利子までは預金保険制度により保護されます。
また、資産の一部を安全に保管しておく目的には最適です。急な出費に備えて、一定額を定期に置いておくという考え方も有効です。
より増やしたいなら投資の検討も
利子で資産を大きく増やしたい場合、投資信託やNISA、iDeCoなどの制度を利用した資産運用も視野に入れるのが一般的です。
たとえば、S&P500など米国株インデックスに連動する投資信託に年利5%で10年間運用した場合、150万円は以下のように増えます。
複利計算:150万円 × (1.05)^10 ≒ 約244万円
もちろんリスクはありますが、資産を大きく育てたいならリスクとリターンのバランスを考える必要があります。
預金だけでは資産は増えない時代に
現在の金融環境では、預金だけで老後資金や将来の備えを十分に形成するのは難しいのが現実です。定期貯金は「減らないお金」の置き場、増やす目的には「投資」の選択肢を並行して考えることが大切です。
最近では、初心者でも始めやすい「つみたてNISA」や、老後資金に特化した「iDeCo」なども充実しており、少額から分散投資が可能になっています。
まとめ:定期預金の役割と今後の資産戦略
ゆうちょ銀行の定額定期貯金で得られる利子は、現在の低金利下ではごくわずかです。しかしそれは制度上当然の結果であり、「少なすぎる」と感じるのは自然なことです。大切なのは、定期貯金を「守るお金」として活用しつつ、余裕資金は「増やすお金」として他の選択肢も取り入れていくこと。バランスのとれた資産形成を心がけましょう。
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