失業保険(雇用保険)の給付額を決める「賃金日額」は、退職前の6ヶ月間の給与をもとに算出されます。ただし、その6ヶ月の中に“労働日数が11日未満”の月があると、その月は除外され、代わりに直前の月からさかのぼって6ヶ月分を算出することになります。
「11日以上就労」が基本条件になる理由
雇用保険制度では、「1ヶ月のうち11日以上出勤している月」を1ヶ月としてカウントするルールがあります。これは、短期間の勤務や断続的な労働では収入が安定しないため、正確な給付額の算定が難しくなるからです。
例えば、1ヶ月の中で6日しか働いていない月があると、その月は「計算対象月」としてはカウントされず、除外される仕組みです。
失業保険の賃金日額の計算の基本フロー
退職日からさかのぼって、11日以上働いた月を6ヶ月間選出し、その合計給与額を180日で割って「賃金日額」が算出されます。つまり、就労日数が11日未満の月は計算に含まれません。
たとえば、5月に6日しか働かなかった場合、その月は除外され、6ヶ月分のカウントは4月、3月、2月…と過去にさかのぼって行われます。
実際のケーススタディ:該当月の扱い
質問のように「5月に6日間のみ勤務」で「6月と7月はフル勤務し、その後退職」という場合、5月は除外され、直前6ヶ月間で11日以上働いた月を別に選出する必要があります。
仮にそれが「1月・2月・3月・4月・6月・7月」であれば、その6ヶ月の平均が用いられることになります。
注意したいポイント:有給日数や休職扱い
なお、有給休暇や公休でも給与支払いがある場合は、「出勤日数」として扱われる場合があります。つまり、「実働が少なくても有給が使われていた」月は11日以上になっていれば対象月となる可能性があります。
一方、休職などで給与が支払われていない月は、対象外となる可能性が高いので注意が必要です。
給与明細と出勤簿の管理がカギ
失業保険の計算対象月を正確に把握するには、自分の勤務日数を明確に記録しておくことが大切です。退職後にハローワークに提出する書類には、会社が記載した出勤状況が反映されますが、万が一記載に誤りがあった場合に備えて、給与明細やタイムカードのコピーを取っておくと安心です。
まとめ:11日未満の月は除外、さかのぼって6ヶ月間の算出
失業保険の算出対象となる「6ヶ月間」は、単純に直近6ヶ月ではなく、「各月11日以上勤務していた月」を基準に数えます。そのため、6日しか働いていない5月のような月は計算対象から除外され、さかのぼって別の月が対象となります。
正確な計算には、出勤状況の記録が欠かせません。退職前に一度、自分の勤務履歴を振り返っておくことをおすすめします。
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