配偶者控除と配偶者特別控除の違いを徹底解説|年金+パート収入でも受けられる条件とは?

税金

高齢の配偶者が年金を受給しながらパートで働きたいと考えた場合、配偶者控除や配偶者特別控除がどうなるのかは非常に気になるポイントです。この記事では、年金とパート収入を合算した場合の所得税・控除・社会保険の取り扱いについて、具体例を交えて詳しく解説します。

配偶者控除とは?適用条件の基本を確認

配偶者控除とは、納税者(夫など)の所得から最大38万円を控除できる制度で、配偶者の「合計所得金額」が48万円以下(給与収入のみなら103万円以下)の場合に適用されます。

年金も所得に含まれるため、たとえば68歳の妻が年金収入103万円であれば、公的年金等控除額(65歳以上は最低110万円)を差し引くと、合計所得は0円になります。このため、現時点では配偶者控除の適用対象です。

パート収入が加わった場合の影響は?

例えば、妻が年間55万999円のパート収入を得た場合、給与所得控除55万円を引くと、課税所得は999円未満。ここに年金103万円を加えても、合計所得は48万円以下に収まる可能性があり、配偶者控除38万円を維持できる可能性があります。

ただし、所得の計算方法は「給与所得+公的年金等の課税所得」で判断されます。65歳以上の公的年金の控除額は最低110万円なので、年金が103万円のままであれば、パート収入が77万円未満であれば、合計所得は48万円以内に収まる可能性が高いです。

配偶者特別控除の対象になる収入はいくらまで?

配偶者の合計所得が48万円を超えると、配偶者控除は受けられませんが、合計所得が133万円以下であれば配偶者特別控除の対象になります。

具体的には、年金が103万円、パート収入が77万円(給与所得控除55万円を差し引き22万円の所得)であれば、年金の所得が0円で合計所得は22万円となり、配偶者控除の範囲内です。それ以上パート収入が増えると控除額は段階的に減少し、配偶者特別控除での調整が可能になります。

たとえば、合計所得が70万円程度であれば、配偶者特別控除の額は21万円前後になります(納税者の年収により異なります)。

社会保険の扶養範囲と注意点

社会保険上の扶養(健康保険)では、収入基準が異なり、65歳以上の配偶者は年間収入180万円未満であれば扶養対象になります。ただし、「収入」ベースで判断され、非課税かどうかは関係ありません

配偶者が年金で103万円、パートで77万円=合計180万円ちょうどであれば、扶養内に収まります。ただし、就業実態(労働時間や雇用形態)によっては勤務先の健康保険に加入義務が発生する可能性もあるため、月収が108,333円(年収130万円)を超えると注意が必要です。

配偶者が働く際のシミュレーション例

以下に年金103万円の方がパート収入を得た際の例をまとめます。

パート収入 所得金額 控除対象 社会保険
55万円 0円(給与所得控除で相殺) 配偶者控除38万円 扶養内(合計158万円)
77万円 22万円 配偶者控除38万円 扶養内(合計180万円)
100万円 45万円 配偶者特別控除21万円前後 扶養外の可能性あり

※あくまで概算であり、実際の控除額や扶養認定は保険組合・所得税法等により異なる場合があります。

まとめ:配偶者の年金+パート収入でも賢く控除を活用できる

配偶者が65歳以上であっても、年金収入とパート収入をうまく調整すれば、配偶者控除や配偶者特別控除を受けることが可能です。特に所得税と社会保険ではルールが異なるため、それぞれの条件を確認しながらシミュレーションすることが大切です。税務署のWebサイトや年末調整時の資料、収入の見込み管理などを通じて、損をしない働き方を選択しましょう。

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