車を運転していると、思いがけずガードレールや電柱などの構造物に接触してしまうこともあります。そのような自損事故に対し、保険がどのように対応するのかは、契約内容によって大きく異なります。特に「エコノミー型」や「一般型」といった車両保険の種類が影響します。本記事では、ガードレール損傷時の弁償方法と自動車保険の正しい選び方について詳しく解説します。
エコノミー型の補償範囲
エコノミー型(限定車両保険)は、「当て逃げ」や「盗難」「火災」などに対応している一方、自損事故(単独事故)や当事者が過失を負う事故には補償されません。つまり、自分の車を壁やガードレールにぶつけた場合、車両の修理費用は保険対象外です。
また、ガードレールや電柱など公共物・他人の財物を破損した場合、車両保険では補償されません。
弁償はどの保険から支払われる?
ガードレールなどの公共物や他人の所有物を壊した場合には、「対物賠償責任保険」から弁償費用が支払われます。これはすべての自動車保険において基本補償として設定されることが多く、加入していれば自動的に適用されます。
例えば、市道のガードレールにぶつかって修理費が10万円発生した場合、対物賠償保険の契約内容(保険金額・免責額)に基づき支払われます。ただし、保険を使えば翌年の等級が下がる点には注意が必要です。
一般型車両保険のメリットとは?
「一般型車両保険」は、エコノミー型よりも広範囲な補償内容を持ち、自損事故や当て逃げ、ガードレールとの接触事故でも保険が適用されます。つまり、自分の車の修理費用も保険でカバーできます。
例:雪の日にスリップしてガードレールに衝突 → 一般型車両保険なら車の修理代も支払われるが、エコノミー型では支払われない。
保険を利用する際の注意点
保険を使用して損害を補償してもらうと、等級が3等級下がり、翌年以降の保険料が上がることになります。したがって、修理費が少額であれば保険を使わずに自己負担したほうが長期的には得になるケースもあります。
保険会社によっては「ノンフリート等級プロテクション特約」を用意している場合もあり、これが付いていれば一定条件下で等級ダウンを防げることもあります。
対物賠償の対象となるケースとは
次のような場合に、対物賠償責任保険から費用が支払われます。
- ガードレール、フェンス、電柱などにぶつけた
- 他人の車に接触した
- 商業施設の駐車場設備を壊した
対物賠償保険の加入は義務ではありませんが、現実的には必須とも言える補償です。
まとめ:事故の備えには補償内容の見直しを
ガードレールにぶつけた際の弁償は「対物賠償責任保険」から支払われ、自分の車の修理は「一般型車両保険」でのみカバーされます。エコノミー型では自損事故の修理は補償されません。事故のリスクと保険料のバランスを見て、補償内容の見直しを定期的に行いましょう。
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