130万円の壁と扶養を超えて働くか悩むあなたへ|手取り・損得・将来設計から考える働き方

社会保険

扶養の範囲内で働くか、フルで働いて社会保険に加入するか――。年収130万円を目安に働いている方にとって、この選択は家計だけでなく、将来の年金や保障にも関わる大きな分かれ道です。本記事では、旦那さんの収入が高く子どもがいない家庭に多いこの悩みに対し、手取り・制度・ライフプランの視点から選択のヒントをお伝えします。

「130万円の壁」とは何か

パートやアルバイトなどで働く際、「130万円の壁」という言葉をよく耳にします。これは、年収130万円を超えると、夫の健康保険の扶養から外れ、自分で社会保険料(健康保険+厚生年金)を負担する必要があるという意味です。

年収が131万円になった瞬間に手取りが減るわけではありませんが、社会保険料の負担が一気に発生し、増えた収入分が相殺され「働き損」と感じるケースが多いのです。

フルで働いた場合の手取りは?

たとえば、時給1,100円で週5日・1日6時間働いた場合、年間約170万円の収入になります。社会保険料と所得税・住民税を差し引くと、手取りは約140万円前後となり、130万円の壁を守ったときと比べて実質手取りは月額1万円ほどの増加にとどまるケースもあります。

このように「社会保険料で稼ぎが減る」と感じることが、フルで働くことを躊躇する理由の一つとなっています。

将来を見据えたメリットもある

ただし、社会保険に加入することには重要なメリットもあります。代表的なのは以下の3つです。

  • 老後の年金額が増える:厚生年金に加入することで将来の年金額が増え、老後の生活が安定します。
  • 傷病手当金や出産手当金などの保障がある:扶養では受けられない給付を受けられるようになります。
  • 雇用保険の受給も拡充:週20時間以上の勤務で雇用保険に加入すれば、失業時の保障も受けられます。

今すぐの手取りよりも、5年後・10年後を見据えた「保障の厚さ」や「将来の年金額」を考慮することで、損得の見え方が変わってきます。

家庭の経済状況と優先度で判断する

今回のケースのように、夫の年収が800万円あり、住宅ローンも抱えている家庭の場合、手取りが少しでも増えたほうが家計に余裕が出るのは確かです。一方で、子どもがいない今のうちに社会保険に入ってキャリアを積み、再就職や昇給のチャンスを掴むという長期的な視点もあります。

例えば、「今はあえて壁内で抑えるが、3年後には扶養を抜けて安定収入を目指す」など、段階的な働き方も戦略として有効です。

損得だけでなく「働きやすさ」も考える

社会保険の損得だけでなく、「仕事の内容」「職場の人間関係」「働きやすさ」など、メンタル面の安定も重要です。時給が多少低くても、ストレスのない環境で無理なく働ける職場なら、長く続けられ、結果として得られる収入や経験値も大きくなります。

また、夫婦の家計設計においても「妻の収入が増えることで、夫の精神的・経済的なプレッシャーが減る」という副次的効果も期待できます。

まとめ

130万円の壁を意識して扶養にとどまるか、フルで働いて社会保険に加入するかは、単に手取りだけでなく、将来の保障・ライフプラン・家庭の状況を踏まえて総合的に判断することが大切です。

今の収入に大きな差が出なくても、将来の年金や保障を重視したい人にはフルで働く価値があります。一方で、夫の収入が安定しており、今は家庭を支える時間を優先したいという人には、扶養内での勤務を継続するのも選択肢の一つです。

ご自身とご家庭に合った「納得のいく働き方」を見つけることが何よりも大切です。

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