67歳以降も厚生年金に加入する意味とは?106万円の壁と将来の手取りを徹底解説

社会保険

パートなどで働きながら年金を受給している方にとって、「106万円の壁」や「厚生年金加入のメリット・デメリット」は非常に重要なテーマです。特に67歳を過ぎてなお厚生年金に加入する意味について、将来的な手取りや年金額への影響が気になる方は多いのではないでしょうか。本記事では、そうした疑問に分かりやすく解説していきます。

106万円の壁とは何か?

「106万円の壁」とは、一定の条件を満たすパート・アルバイトが、年収106万円を超えると社会保険(厚生年金・健康保険)への加入義務が生じる基準のことです。

具体的には、従業員数101人以上の企業で働いており、週の労働時間が20時間以上、月収88,000円以上(年収約106万円)であれば、厚生年金の対象になります。これにより、給与から厚生年金保険料が天引きされるため、手取りが一時的に減少します。

67歳以降も厚生年金に加入することの意味

67歳以降でも、一定条件を満たせば厚生年金に加入する義務があります。これは「70歳未満の被用者」は原則、厚生年金の対象となるためです。

しかし、この加入は「意味がない」わけではありません。実は、支払った厚生年金保険料は「年金額に反映」される可能性があります。これを在職中の年金再計算(在職老齢年金制度)と呼びます。

厚生年金に加入し続けた場合のメリット

70歳になる前に働きながら厚生年金に加入し続けた場合、その分の保険料は「年金の上乗せ」に反映されます。具体的には、年1回の定時改定で厚生年金部分が増額されます。

例えば、年収120万円で厚生年金に加入していた場合、年間数千円〜1万円前後の年金が上乗せされるケースもあります。これは、加入期間や報酬額によって異なります。

手取り減と将来の年金増:損得のバランス

確かに、保険料の天引きにより手取りは減少します。しかし、厚生年金に加入し続けることで将来の年金が増額され、長期的にはプラスになる可能性があります。

たとえば、月8,000円の保険料を3年間(67歳〜70歳)払い続けた場合、約28万円を納付することになります。これにより、仮に年金が年間1万円増額されたとすると、約28年で元が取れる計算になります。

在職老齢年金との関係に注意

注意点として、年金受給中に高収入を得ると「在職老齢年金」の制度により、年金の一部が停止される可能性があります。ただし67歳以降は、60〜64歳の制限より緩和されており、「月収と年金月額の合計が47万円を超えた場合」にのみ対象となります。

多くのパート勤務ではこの条件に該当しないため、安心して働き続けられるケースが多いです。

まとめ

67歳以降に厚生年金に加入し続けることは、短期的には手取りが減少する要因になりますが、長期的には年金額が増えるというメリットがあります。将来の手取りが減るわけではなく、むしろ年金増額により収入の底上げが期待できる点は見逃せません。自身の収入状況とライフプランを踏まえ、厚生年金の継続加入を前向きに検討する価値はあると言えるでしょう。

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