2025年の年金制度改正により、老齢厚生年金に付加される「加給年金」に変更が加えられる見通しです。特に、支給額が10%程度減額されるという報道を受けて、これから年金を受け取る方々の間で不安の声が高まっています。本記事では、加給年金の仕組みと改正の内容、そして実際にどのような人に影響があるのかをわかりやすく解説します。
加給年金とは?
加給年金とは、老齢厚生年金の受給者に生計を一にする配偶者や子どもがいる場合に加算される制度で、家族手当的な性格を持っています。
加給年金は主に以下の条件を満たしたときに支給されます。
- 本人が老齢厚生年金を受給している
- 65歳未満の配偶者または18歳未満(または20歳未満の障害のある)子どもがいる
- 配偶者の年収が一定額以下(年間850万円未満など)
2024年度の時点で、配偶者に対する加給年金額は年額で約39万円程度です。
2025年の年金制度改正と加給年金の見直し内容
厚生労働省は2025年度から、少子高齢化や財政バランスを背景に加給年金の見直しを進める方針を発表しました。具体的には、次のような変更が検討されています。
- 加給年金額を約10%減額(例:年額39万円→約35万円台へ)
- 新規受給者から段階的に適用
- 既存の受給者には影響なしとする方向で調整中
このため、これから老齢厚生年金の受給を開始する方が対象になる見込みです。
自分は対象になるのか?判断のポイント
加給年金の見直しの適用対象は、「2025年度以降に老齢厚生年金の受給を開始し、かつ配偶者などが加給要件に該当する人」です。
たとえば、2025年8月に年金を受給し始める予定の方は、新制度の対象になる可能性が高く、加給年金が10%減額される見込みです。
一方、2025年3月までに受給を開始している方については、経過措置として減額の対象外になる可能性が高いとされています。ただし、これは正式決定ではなく、法改正内容により変更される可能性もあります。
実際の影響額はどのくらい?
現在の加給年金額が年額約389,800円であることを踏まえると、10%の減額であれば年間約38,980円の減少となります。
月額換算すると約3,200円の減額に相当し、生活費に大きなインパクトとまでは言えないかもしれませんが、長期間にわたって受給する方にとっては無視できない金額です。
制度変更への備えと今後の動向
今回の見直しは、「家族扶養」のあり方や社会保障全体の持続可能性を意識したものです。今後も段階的な見直しが行われる可能性があるため、受給前に日本年金機構の公式情報をこまめにチェックすることが重要です。
また、老齢基礎年金や加給年金の代わりに「振替加算」が発生する場合もありますので、自身の家族構成や年齢によって詳細確認が必要です。
まとめ
2025年度からの年金制度改正により、加給年金は新規受給者を対象に約10%の減額が予定されています。すでに受給中の方には影響しない見込みですが、2025年8月以降に年金受給を開始する方は減額対象となる可能性が高いです。制度の最終決定は今後の国会審議などによるため、最新情報に注意を払いつつ、将来の収支を計画しておくことが大切です。
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