元配偶者の社会保険に入るとどうなる？シングルマザーの非課税世帯と手当・市営住宅の影響を解説

非課税世帯として支援を受けながら生活するシングルマザーの方にとって、元配偶者の社会保険に扶養として加入する選択肢は家計の助けになる一方で、他の公的支援に影響を与える可能性もあります。この記事では、扶養に入った場合の市営住宅の家賃や児童扶養手当への影響について解説します。

社会保険の扶養に元配偶者が入れる条件とは

社会保険（健康保険）では、離婚後も条件を満たせば元配偶者を扶養に入れることが可能です。具体的な条件は以下の通りです。

つまり、離婚後に住所が別であっても、元夫の収入で生活している実態があれば扶養に入ることは制度上可能です。

市営住宅の家賃は、住民票上の世帯所得や世帯構成に基づいて決まります。そのため、元配偶者の扶養に入った場合でも、住民票上の世帯が変わらなければ、基本的には家賃に影響はありません。

ただし、保険証の住所や収入申告などで行政側が「実質的な扶養関係＝収入がある」と判断する可能性もあります。自治体によっては審査が厳格な場合があるため、事前に住宅課などで確認することをおすすめします。

児童扶養手当は、基本的に所得に応じて支給額が決まる制度です。元配偶者の扶養に入った場合、扶養控除対象になっていれば、元夫の所得に合算される可能性があります。

一方、あなた自身の所得が増えるわけではないため、現状では手当を引き続き受給できるケースもありますが、扶養の実態や仕送りの有無によっては減額や停止の可能性もあります。

元夫の年収が450万円であれば、社会保険上の被扶養者条件（被扶養者の年収130万円未満）はクリアしていると仮定できます。ただし、実際に仕送りなどがあるかどうかが重要な判断材料になります。

また、児童扶養手当は「世帯全体の収入」に注目する自治体もあるため、年収450万円が世帯合算とみなされると減額対象になる可能性も否定できません。

例1：元夫の扶養に入ったが、住民票上別世帯 → 市営住宅家賃や母子手当への影響なし（自治体による）

例2：元夫から定期的に仕送りあり → 扶養関係が強く認定され、児童扶養手当が減額

例3：保険証の住所が元夫と同じに → 同居とみなされ、市営住宅の家賃増額の可能性

元配偶者の社会保険の扶養に入ることは可能ですが、その結果として他の公的支援（市営住宅減免や児童扶養手当）に影響が出る可能性があります。特に「生計を一にしているか」という行政の判断が重要になります。

扶養に入る前に、必ず市役所の福祉課・住宅課などに相談し、影響を確認した上で進めることが大切です。状況によっては、扶養に入らずに今の制度を維持するほうが支援額が大きいケースもあります。