保険の営業で「月額2000円で死亡時に100万円もらえるプラン」を提案されたら、思わず「それって意味あるの?」と感じる方も少なくないでしょう。特に家族を持つ世代にとって、必要な保障額と保険料のバランスは重要です。この記事では、なぜこうした安価な死亡保険が勧められるのか、その意図と役割、本当に必要な保障の考え方についてわかりやすく解説します。
月額2000円・死亡保障100万円の保険の正体
このような保険は、いわゆる「少額短期保険」や「ミニ保障タイプの定期保険」である可能性が高いです。特徴としては、以下のようなものがあります。
- 月額保険料が安い(数百円〜数千円)
- 保障期間は1年更新型が多い
- 死亡保険金額は100万円〜300万円程度と少額
- 簡単な告知だけで加入できる
「とりあえずの備え」や「葬儀費用の確保」などを目的に利用されることが多く、決して「舐めている」から勧められているわけではありません。
なぜこのような保険を勧められたのか
営業担当がこうした少額の保険を勧める背景にはいくつかの理由があります。
- 収入や生活状況から「まずは最低限」と判断された
- 医療保険や学資保険の提案前の“入り口商品”
- 審査が緩いため、提案しやすい
- すでに高額保障があると想定し、補完的な意味で提案
たとえば「ご主人の職場に団体定期保険がある」「貯蓄が多い」などの事情があれば、あえて少額保障を提案するケースもあります。
3人家族に必要な死亡保障の目安とは?
夫婦+0歳児の家庭において、万が一の際に必要な保障額は次のような要素で決まります。
- 遺された家族の生活費
- 子どもの教育費
- 住宅ローンの有無
- 遺族年金の受給見込み
一般的には「3000万円〜5000万円程度の保障」が必要とされるケースが多く、月額2000円で100万円という内容では全く足りない可能性があります。
仮に、夫に万が一のことがあり、子どもが大学卒業するまでに2000万円が必要と試算されるなら、それを補える保険設計が必要です。
実例で比較:保障内容と保険料の違い
保険プラン | 保険料 | 死亡保障額 | 目的 |
---|---|---|---|
少額短期保険 | 月額2,000円 | 100万円 | 葬儀費用などの最低限 |
定期保険(30歳男性・30年定期) | 月額4,500円前後 | 3000万円 | 遺族の生活保障 |
収入保障保険 | 月額3,000円〜 | 月々10万円×20年(総額2400万円) | 毎月の生活費を補う |
保険の設計は「安さ」だけでなく「保障の目的」と「ライフプラン」に合わせて考えることが大切です。
自分たちに合った保険を選ぶポイント
保険は一度入れば終わりではなく、ライフステージに応じて見直すことが重要です。以下のポイントを確認しましょう。
- 必要保障額を試算する(FPに相談するのも有効)
- 公的保障を確認(遺族年金・会社の保障)
- 「万が一」の想定期間を決める(子どもが独立するまで等)
- 加入中の保険を棚卸しする
提案された保険が不適切だったというよりは、「補助的な位置づけ」や「予算に配慮した提案」だった可能性も考えられます。
まとめ:保険は「なめられた」ではなく「合う・合わない」で判断しよう
月額2000円・死亡時100万円という保険は、確かに家族を守るには物足りない内容ですが、それが「悪い保険」や「軽んじられている」という意味ではありません。重要なのは、自分たちの家族構成や収入、将来設計に見合った保険を選ぶことです。
疑問や不安があるときは、複数の保険会社やファイナンシャルプランナーに相談し、冷静に判断していきましょう。保険選びは「感情」よりも「設計」がカギです。
コメント