奨学金の返済を行っている方にとって、残高不足による引き落とし失敗は精神的な負担にもなりがちです。特に減額返済制度を利用していた期間から通常返済へ移行するタイミングでは、思わぬトラブルが起きやすくなります。今回は、引き落としが一部しか実行されなかった場合の原因や対応方法について解説します。
奨学金の引き落としはどのように処理されるのか
奨学金の返済は、通常、毎月27日(休日の場合は翌営業日)に指定口座から自動的に引き落とされます。もし前月の引き落としが失敗していた場合、次回に2か月分まとめて引き落とされることがあります。ただし、口座残高がその合計金額に満たない場合、不足分のみが引き落とされることもあります。
たとえば、返済額が月6,000円に戻った直後のタイミングで、前月の減額返済分(3,000円)も含めて引き落とされる場合、合計9,000円ではなく12,000円が必要なケースもあり得ます。これは返済額が切り替わった月に注意すべきポイントです。
減額返済制度から通常返済へ切り替わるタイミングの落とし穴
減額返済制度は期間が定められており、終了後は自動的に本来の返済額に戻ります。しかし通知が十分でないと、うっかり以前の金額しか入金せず、引き落としエラーが発生することがあります。
今回のように、前月が3,000円、今月が6,000円の返済額だった場合、前月の未納を含めると12,000円が必要だったと考えられます。口座に9,000円しかなかった場合、1か月分(6,000円)のみ引き落とされた可能性が高いです。
翌月に再度2か月分引き落とされるのか
結論から言えば、未納分は引き続き次回に繰り越される可能性が高いです。ただし、引き落とし回数や残高状況によっては、一部だけ引かれる、または再引き落としが行われない場合もあるため、JASSO(日本学生支援機構)のマイページなどで状況を確認するのが確実です。
また、延滞扱いになると信用情報への影響や延滞金発生の可能性もあるため、早めに電話等で確認して対応を取ることが推奨されます。
不足分の入金をし忘れたときの対処法
- まずは返済履歴をJASSOのマイページで確認
- 次回の引き落とし予定金額を計算し、多めに入金する
- 必要に応じてJASSOの相談窓口(0570-666-301)に問い合わせ
- 延滞が長引く前に、再度減額返済制度の申請を検討することも一つの手段
実例で理解する:金額の動きと引き落としの流れ
以下は今回のケースに似た例です。
- 4月:減額返済で3,000円 → 残高不足で引き落とし失敗
- 5月:通常返済で6,000円、口座には9,000円のみ → 6,000円分だけ引き落とされ、3,000円は未納状態に
- 6月:3,000円+6,000円=9,000円以上を入金しておくと、2か月分引き落としの可能性がある
このように、どの月の分が未納なのかを明確に把握しておくことで、次回の引き落としに備えることができます。
まとめ:口座には多めの金額を入れておくのがベスト
奨学金の返済で口座残高が不足すると、予定通りに引き落とされず延滞扱いになるリスクがあります。特に減額返済制度から通常返済に移行する時期は、金額が変わるため誤解が生じやすく注意が必要です。
少し多めの金額を入れておく習慣を持つことで、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。返済が難しいと感じた場合は、遠慮せず支援機構に相談しましょう。
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