初任給の引き上げが話題になっている一方で、「生活がカツカツ」「思ったより苦しい」という声も多く聞かれます。なぜ給料が上がっているはずなのに、家計に余裕が生まれないのでしょうか。その背景を、物価上昇と実質所得の観点から解説します。
名目賃金と実質賃金の違い
「初任給が上がった」と言っても、それは名目上の金額であり、物価の影響を加味していない数字です。実際の生活水準に影響するのは、物価上昇を差し引いた“実質賃金”です。
たとえば、初任給が2万円上がったとしても、日用品・食費・光熱費などの物価がそれ以上に上がっていれば、可処分所得(自由に使えるお金)はむしろ減っているというケースもあります。
物価上昇が家計に与える影響
2022年以降、日本国内でも食品やエネルギー価格の高騰が続いており、特に都市部では生活費が顕著に上昇しています。外食や交通費、通信費など固定費もじわじわと値上がりしており、若年層の生活を圧迫しています。
「コンビニのおにぎりが1個150円超え」といった現象が当たり前になってきた今、収入が増えてもその恩恵を実感しづらくなっているのです。
初任給の上昇額では追いつかない支出の現実
仮に初任給が月2万円アップしても、物価上昇により月の支出が3万円増えていれば、生活は以前よりも厳しくなります。特に家賃や食費といった生活必需コストの影響は大きく、貯蓄に回す余裕もなくなるケースが多いです。
また、奨学金の返済や保険料など、20代で新たに始まる支出も家計を圧迫する要因となっています。
生活がカツカツな人に見られる傾向
- 家賃が収入の30%以上を占めている
- 物価上昇に合わせて支出の見直しをしていない
- 外食やコンビニの利用頻度が高い
- 固定費の削減を意識していない
これらの傾向に当てはまる場合、どれだけ収入が上がってもお金が足りないと感じる可能性が高いです。
対策:実質的に「使えるお金」を増やすには
生活がカツカツと感じたときには、以下のようなアクションが効果的です。
- 家計簿アプリなどで支出の見える化をする
- サブスクの整理や格安SIMへの乗り換えで固定費を削減
- 節税効果もあるiDeCoやつみたてNISAを活用し、将来への備えを進める
- 副業やスキルアップによる収入の柱を増やす
まとめ:上がる給与、上がる支出。だからこそ「管理力」が重要
初任給が上がったからといって、すぐに豊かさを感じられる時代ではありません。むしろ、今の日本では物価上昇に負けない「お金の管理力」が必要とされています。支出を見直し、収入と生活のバランスを整えることが、安心できる暮らしへの第一歩です。
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