海外との取引や留学、国際送金などの場面で、「銀行口座の名義をローマ字表記(例:NIHON TARO)にしたい」と考える方は少なくありません。しかし、日本の銀行で名義をローマ字に変更することは可能なのでしょうか?この記事では、日本人がローマ字名義を希望する場合の対応可否や注意点について詳しく解説します。
日本の銀行の多くはカタカナ名義が標準
日本国内で開設する通常の銀行口座では、名義は原則としてカタカナ(フリガナ)表記となっています。たとえば「日本 太郎」という名前で口座を作ると、通帳やネットバンキング上では「ニホン タロウ」と表示されるのが一般的です。
この仕様は、国内での統一的な処理と読みやすさを目的としたもので、個人名義の口座を自由にローマ字表記へ変更することは、原則できません。
ローマ字名義に対応しているケースとは?
一部の銀行では、特定の条件を満たす場合に限りローマ字での名義登録が可能です。以下のようなケースが該当します。
- 外貨預金口座の開設時:三菱UFJ銀行、SMBC信託銀行PRESTIA、楽天銀行などで可能な場合があります。
- 海外送金専用の口座:外国人向けやインターナショナルサービスを持つ銀行で対応。
- ネットバンクの一部サービス:PayPay銀行、Wise(旧TransferWise)などで、ローマ字名義が使われる場合があります。
ただし、いずれも「本人確認書類でローマ字氏名の表記がある」などの条件付きです。
ローマ字名義が必要になる主なシーン
ローマ字名義を求められる主な場面には以下があります。
- 海外からの送金を受け取る場合(SWIFTコードや英語名義が必要)
- 海外口座からの引き落とし設定時
- 留学、海外就職に伴う給与受取口座の提示
このような場合には、カタカナ名義のままでも支障がないケースもありますが、銀行が発行する英文の口座証明書を提出することで対応できることが多いです。
ローマ字名義を希望する場合の対応方法
日本国内でのローマ字名義登録が必要な場合、次の方法を検討してください。
- 外貨預金口座を開設し、ローマ字名義に対応している銀行を選ぶ
- 外国人名義口座やインターナショナルサービスを提供する銀行(例:SMBC信託銀行PRESTIA)に相談
- WiseやRevolutなど、国際送金対応のオンラインバンクを利用する
たとえば、楽天銀行では一部のサービスにおいてローマ字名義の併記が可能で、送金時に英文の振込人名を設定できる場合もあります。
まとめ:原則不可だが、用途に応じた代替策がある
日本の銀行口座における通帳名義をローマ字に変更することは、原則としてできません。ただし、外貨口座の開設や英文証明の取得、国際サービスを提供する金融機関の活用によって、ローマ字名義が必要な場面にも柔軟に対応できます。
必要に応じて、各銀行の窓口やコールセンターに相談し、自分の目的に合った対応策を選ぶことが重要です。
コメント