体調不良や家庭の事情でパートの出勤が極端に少なくなった月、「それでも厚生年金や健康保険料が満額引かれてしまうの?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。特に月の出勤が2日間など極端に少ない場合、保険料が給与を上回るケースもあります。今回はその仕組みと、実際に給料がマイナスになる場合の対処法を詳しく解説します。
厚生年金・健康保険料は日割りにならない
厚生年金保険料や健康保険料は、原則として月単位で発生し、出勤日数に関係なく全額が発生します。つまり、1日しか働いていなくても、1ヶ月働いたとみなされて保険料が徴収されます。
これは「標準報酬月額」に基づいて計算されるため、労働時間や日数が少なくても関係なく定額で計算されます。日割り計算にはならないのです。
給与よりも保険料が多いとどうなる?
出勤が少なく給与が低額、もしくはゼロになった月でも、会社は保険料の従業員負担分を立て替える義務はありません。そのため、給与明細上では差引支給額がマイナスになることも。
このようなケースでは、会社から「保険料の不足分を現金で支払ってください」と請求される場合があります。これは違法ではなく、労働契約や就業規則に従って処理されます。
会社側の対応と従業員の選択肢
会社によっては、マイナスになった分を次月の給与で相殺したり、分割で回収したりする場合もありますが、本人が自己負担で支払うケースが一般的です。
対処法としては以下のような手段があります。
- 人事や労務担当者に早めに相談し、支払方法を確認する
- 不足分を会社指定の口座へ振込
- 翌月の給与から天引きにしてもらう
なお、保険料は会社と従業員が半分ずつ負担するため、会社側が全額負担してくれるわけではない点にも注意が必要です。
出勤が少ない月でも保険に加入し続ける意味
「たった数日働いただけで保険料を払うのは損」と感じるかもしれませんが、社会保険に加入していることで得られる保障は大きなものです。
- 健康保険による医療費3割負担
- 出産手当金・傷病手当金の対象になる
- 将来の年金受給資格(厚生年金)
こうした制度の恩恵を継続的に受けるためには、一定の保険料支払いが必要となります。短期的には負担でも、長期的にはメリットがあります。
実例:月給が少なかったパート主婦Bさんのケース
Bさんは月に2日しか勤務できなかったことで給与が1万円以下に。しかし保険料として約2万円が天引き対象だったため、勤務先から「マイナス分の支払い」を求められました。
人事と相談し、翌月以降の給与から2回に分けて天引きという形で調整。話し合い次第で柔軟な対応が可能であることが分かった好例です。
まとめ:社会保険料は出勤日数に関係なく月額固定。給与がマイナスなら支払い義務あり
パート勤務で出勤日数が少ない月でも、厚生年金・健康保険料は満額で発生します。給与を超える保険料が発生した場合、マイナス分を会社に支払う必要がありますが、支払方法は会社と相談して柔軟に決めることができます。
支払い義務はあるものの、社会保険に加入することのメリットは大きいため、冷静に対応し、事前に相談・確認しておくことが安心につながります。
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