最近はYouTubeなどで、他人の車を運転する企画動画が多く見られます。しかし、その車で万が一事故を起こした場合、保険は適用されるのでしょうか?この記事では、自動車保険の基本と「他人の車を運転するリスク」について詳しく解説します。
自動車保険は車にかける?人にかける?
日本の自動車保険は「車に対してかける」ものです。つまり、原則としてその車両に登録された保険契約の範囲内で補償が行われます。
そのため、他人がその車を運転していて事故を起こした場合でも、保険契約に記載された運転者条件(年齢制限や本人・家族限定など)を満たしていれば、保険が適用される可能性があります。
逆に言えば、運転者条件に該当しない人物が運転していた場合は、保険が「適用外」となるリスクがあります。
YouTube撮影で他人の車を運転するリスク
YouTubeなどで企画として他人の車を借りて運転する場合、たとえ事故の過失がなくてもリスクは大きいです。特に、撮影用の運転が「商用目的」と解釈される場合、個人契約の自動車保険ではカバーされないことがあります。
また、運転者が所有者の許可を得ていても、保険契約の条件に合致していなければ無保険状態となるため、事故時の補償が受けられません。
例えば「本人限定」の保険であれば、所有者以外が運転した時点で一切の補償が無効となります。
運転者条件や年齢条件を確認しよう
車両保険や任意保険では、以下のような「運転者の範囲」による補償制限が存在します。
- 運転者本人のみ補償
- 本人と配偶者のみ
- 家族限定
- 限定なし(誰が運転してもOK)
この設定が「限定なし」であれば、他人が運転しても保険は基本的に適用されます。しかし限定付きの場合は、運転者が条件外であれば無効となります。年齢条件(例:30歳以上補償)も同様に重要です。
したがって、他人の車を運転する場合や運転させる場合は、事前に「運転者条件」「年齢条件」「使用目的(業務用・日常レジャー用)」を必ず確認しておく必要があります。
事故が起きたら誰が責任を取るのか?
事故を起こした際、基本的には運転者に過失責任が発生します。ただし、所有者にも「運行供用者責任」が問われる可能性があり、被害者に対しては運転者と所有者が連帯して賠償責任を負うケースがあります。
また、加害者が無保険状態で事故を起こした場合は、被害者への賠償を自己負担で対応しなければならなくなるため、大きな経済的リスクを伴います。
たとえば、追突事故で相手に怪我を負わせた場合、治療費や慰謝料、休業補償などで数百万円単位の支払いが発生することもあります。
実例:友人の車を借りて事故を起こしたケース
ある20代男性は、友人のスポーツカーを借りてYouTube動画を撮影中に信号待ちで追突されました。相手に過失があったため保険処理となりましたが、男性は「年齢条件外」であり、車両側の保険が適用されませんでした。
結局、車の修理費用約40万円は自己負担となり、友人との信頼関係にも亀裂が入ってしまいました。このように、たとえ被害側でも「契約条件外」だと大きなトラブルになることがあります。
まとめ:他人の車を運転する前に確認すべきこと
他人の車を運転する際には、以下の点を事前に必ず確認しましょう。
- 保険の運転者条件と年齢条件
- 使用目的(業務かレジャーか)
- 本人限定や家族限定などの特約
- 事故時の責任と賠償の分担
たとえ企画や撮影目的であっても、保険が適用されなければ高額な修理費や損害賠償を背負う可能性があります。信頼関係を守るためにも、保険と責任の仕組みを正しく理解し、安全運転と慎重な判断を心がけましょう。
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