前職で加入していた企業型確定拠出年金(企業型DC)を退職後に放置していた方にとって、「移換」という手続きは避けて通れません。通知が届いて戸惑った方もいるかと思いますが、焦らず対応すれば大丈夫です。この記事では、移換先として選べる「運用指図者」か「iDeCo加入者」のどちらが自分に合うのかをやさしく解説します。
まずは確認:企業型DCからの移換は必須
企業型DCに加入していた方が退職し、そのまま放置してしまうと、資産は国民年金基金連合会の管理口座(自動移換)に移され、運用されないまま手数料だけが差し引かれてしまいます。これは非常にもったいない状態です。
通知が届いたということは、自動移換手続きが進んでいるか、間もなく移される状況にあるということ。今すぐ対応を進めるのが望ましいです。
選択肢A:iDeCoの「運用指図者」とは?
運用指図者とは、iDeCoの口座を開設して、すでにある資産の運用は続けるけれど、新たに掛金を拠出しない人のことを指します。
つまり、「移換はするけど、自分のお金を毎月積み立てるのはまだしない」場合に選ぶ形です。収入に余裕がない人や、まずは様子を見たい人に向いています。
運用指図者も一定の管理手数料(月額数百円)がかかるため、長期的には加入者として積立する方がお得になるケースもあります。
選択肢B:iDeCoの「加入者」になるとは?
こちらは、毎月掛金を拠出しつつ、移換した資産も運用していくスタイルです。働いている会社で企業型DCがない人であれば、iDeCoに加入することができます。
掛金は月5,000円から可能で、年末調整や確定申告で全額所得控除の対象になるという大きなメリットがあります。将来の資産形成を本格的に始めたい方にぴったりの方法です。
あなたの場合、どちらを選ぶべき?
質問者の方は現在、企業型DCのない職場にお勤めで、SBI証券の口座もすでにお持ちとのこと。iDeCo加入者(選択肢B)になることができます。
もし今後、少額でも将来に向けて積立を考えているなら、SBI証券のiDeCoに加入して、移換と同時に積立を始めるのが賢明です。掛金の見直しや一時停止もできるので、無理のない範囲で始められます。
移換の手続きと注意点
- 移換先の金融機関(SBI証券など)でiDeCoの申込書類を請求
- 「移換する」選択をし、現在の企業型DCの情報を記入
- 「加入者」か「運用指図者」かを明記
- 申請後、通常1〜2ヶ月で移換が完了
注意点としては、移換完了までは運用が停止される点。できるだけ早めに手続きを行いましょう。
まとめ:積極的に資産形成するなら「加入者」がオススメ
企業型DCの移換にあたっては、毎月積み立てをする意思があるならiDeCo加入者としてのスタートが適しています。
- 積立したい:iDeCo加入者(B)
- とりあえず運用だけしたい:運用指図者(A)
自分のライフスタイルに合わせて選べばOKです。将来に向けての一歩、ぜひ前向きに始めてみてください。
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