大学生でもアルバイトを掛け持ちして収入が増えると、思わぬタイミングで「社会保険の加入義務」が発生する場合があります。特に最近では、パート・アルバイトの適用拡大が進んでいるため、以前よりも加入対象になる学生が増えています。本記事では、学生アルバイトが社会保険の加入対象になるケースと、その際に必要な対応について詳しく解説します。
学生でも社会保険の対象になることがある
一般に学生は「学生除外」により社会保険(厚生年金・健康保険)の対象外とされるケースが多いですが、すべての学生が自動的に除外されるわけではありません。
例外として「夜間・通信・定時制課程」の学生や、学生であっても週20時間以上の勤務を継続し、かつ月収が10万8000円を超える状態が3ヶ月続くと、社会保険の加入対象になる可能性があります。
社会保険の加入基準とは?
以下の5つの条件をすべて満たすと、勤務先で社会保険に加入する義務が生じる可能性があります(2022年10月以降の法改正基準)。
- 週の労働時間が20時間以上
- 月額賃金が88,000円以上(年収換算106万円)
- 2ヶ月を超えて継続雇用される見込み
- 学生でない(定時制や夜間部は除外)
- 勤務先の従業員数が101人以上
掛け持ちの場合でも、1つの勤務先ごとに上記条件が判断されるため、トータルで稼いでいても、単体で条件に達していなければ基本的に対象外です。
収入超過したらどうなる?バレるのか?
勤務先が毎月提出している「月額報酬報告書」や「給与支払報告書」をもとに、社会保険の事務センターや税務署はチェックしています。そのため、いずれは必ず把握される可能性が高く、故意の未加入や虚偽申告は指摘の対象となります。
一時的な収入増加なら加入義務は発生しないこともありますが、継続性があると判断されると勤務先経由で加入手続きが開始される場合があります。
協会けんぽの保険証を持っている場合の扱い
すでに協会けんぽ(扶養など)で健康保険証を持っている場合は、就労収入の増加により扶養から外れ、本人加入に切り替えられるケースがあります。
この場合、事後的に保険料の請求が来る可能性もあるため、早めに会社の総務や社労士に確認することが大切です。
不安なときに確認すべきこと
以下のことを確認すると、今後の対応が明確になります。
- 自分が勤務している各バイト先の週あたり勤務時間
- 収入の見込みと実際の月収
- 勤務先の社会保険加入条件(特に従業員数)
- 会社が学生除外を適用しているかどうか
まとめ:知らなかったでは済まされない社会保険の知識
大学生でも条件次第で社会保険への加入が求められるケースはあります。特に、月収が10万円を超えがちになってきたら、勤務先の担当者に相談し、「学生除外」や「扶養の範囲」について正しく理解しておくことが大切です。
トラブルを未然に防ぐためにも、アルバイト先とのコミュニケーションを大切にし、自分自身の働き方を見直してみましょう。
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