会社を退職して健康保険や年金の手続きを自分で行うようになると、「年金ってどう支払うの?」「紙は届くの?」といった疑問が出てくる方も多いのではないでしょうか。これまで厚生年金は給料から天引きされていたため、仕組みを知らずに戸惑ってしまうのも当然です。今回は、退職後に自分で支払うことになる国民年金の納付方法や注意点についてわかりやすく解説します。
退職後の年金制度は「国民年金」に切り替わる
会社員を辞めると、それまで加入していた厚生年金の資格は喪失し、20歳以上60歳未満の方は国民年金に加入する必要があります。国民年金は自営業者やフリーターなど、会社に所属していない人が加入する公的年金制度です。
退職後14日以内に、住民票がある市区町村の役所で「国民年金の加入手続き」を行います。健康保険と同じく、手続き後に納付書が届く仕組みになっています。
年金保険料の支払い方法は4つある
国民年金の保険料は、手続き完了後に日本年金機構から送られてくる納付書を使って支払います。支払い方法は以下の4通りです。
- コンビニ・金融機関で現金支払い
- 口座振替(毎月自動引き落とし)
- クレジットカード払い
- スマホ決済(PayPay・LINE Payなど)
最初は納付書が届きますが、口座振替やクレジット払いに切り替えるには別途申請が必要です。年金機構のウェブサイトや年金事務所で申込用紙を入手できます。
支払いが厳しい場合は「免除制度」を検討しよう
収入が少ない・無職で支払いが難しいという方は、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」を活用できます。免除には以下の種類があります。
- 全額免除
- 4分の3免除
- 半額免除
- 4分の1免除
- 納付猶予(50歳未満)
これらは市区町村の役所で申請でき、審査のうえ承認されれば保険料の支払いが免除または猶予されます。未納のまま放置すると将来の年金受給に影響するため、早めの相談が大切です。
支払い開始までの流れを確認
年金の支払いが始まるまでの一般的な流れは次のとおりです。
- 会社を退職
- 住民票のある市区町村役所で国民年金の加入手続き
- 数週間後、日本年金機構から納付書が届く
- 納付書で支払い開始(コンビニなど)
- 希望者は口座振替やカード払いに変更申請
健康保険と違って、年金の納付書は少し遅れて届くことがあるので、手続き後すぐに届かなくても慌てずに待ちましょう。
実例:退職後のAさんが年金支払いを始めるまで
Aさんは会社を3月に退職し、4月初旬に市役所で国民健康保険と同時に国民年金の加入手続きをしました。納付書は4月下旬に自宅に届き、5月からコンビニ払いで支払いを開始。
その後、口座引き落としの手続きも行い、6月からは自動的に保険料が引き落とされるようになりました。「最初は不安だったけど、意外と簡単にできた」と話しています。
まとめ:年金の支払いも仕組みを知れば怖くない
退職後は自分で国民年金の手続きと支払いを行う必要がありますが、仕組みを理解すれば難しいものではありません。納付書は後から届くため、焦らず待つことが大切です。もし支払いが厳しい場合は免除申請も検討しましょう。将来の年金受給のためにも、早めに手続きして安心した生活を送りましょう。
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