106万円の壁と週20時間バイトの関係|年金・社会保険の加入義務と学生の特例について解説

税金、年金

アルバイトで働く際、「年収が106万円を超えると年金や社会保険に入らないといけないって本当?」「学生も対象なの?」といった疑問を持つ方が増えています。特に2025年以降にかけて「106万円の壁の見直し」や制度改正が予定されており、働き方によって社会保険加入の対象となる可能性が高まっています。この記事では、週20時間以上働いた場合に年金や保険の加入義務があるのか、学生は免除になるのかといった疑問をわかりやすく解説します。

そもそも「106万円の壁」とは何か?

「106万円の壁」とは、一定の条件を満たすと社会保険(厚生年金・健康保険)に加入しなければならない基準のことを指します。

以下の5つの条件をすべて満たすと、厚生年金・健康保険の加入義務が発生します。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円(年収換算106万円)以上
  • 勤務先の従業員数が101人以上(2024年10月からは51人以上に拡大)
  • 継続して2ヶ月を超えて働く見込みがある
  • 学生ではない

つまり、週20時間以上働いても、上記すべてを満たさなければ強制加入とはなりません

学生は対象外?その理由と例外

上記の条件のうち、「学生でない」というのが重要なポイントです。厚生年金制度では、昼間学生は原則として社会保険の適用除外となります。たとえば次のようなケースでは、加入義務はありません。

  • 大学や短大、専門学校に通う昼間学生
  • 週20時間以上働いているが、アルバイトで学業が本業である

ただし、次のような場合は学生でも対象になることがあるので注意が必要です。

  • 夜間学生や通信制の場合
  • 大学を卒業して進学せず就業を選んだ人
  • 内定をもらって勤務中の“卒業見込み”の状態

「学生=自動的に除外」ではないため、在学形態によって扱いが異なる点に注意しましょう。

社会保険に加入すると何が変わる?

厚生年金と健康保険に加入すると、以下のような影響があります。

  • 手取り収入が減る(社会保険料の自己負担分が引かれる)
  • 将来の年金受給額が増える
  • 傷病手当金や出産手当金などの給付を受けられる

たとえば、月収9万円で加入した場合、保険料として約13,000円前後が引かれ、手取りは約76,000円になります。ただし、会社が保険料の半分を負担してくれるため、国民年金より割安で手厚い保障を得られるのが特徴です。

「106万円の壁」がなくなるとどうなる?

現在、政府はこの「106万円の壁」制度の見直しを進めています。将来的には、企業の従業員数に関わらず週20時間以上働くすべての人が社会保険の対象になる可能性があります。

ただし、制度改正後も学生に対する除外規定が維持される見込みが強く、「週20時間以上働いたら即加入」というわけではなく、あくまで「条件をすべて満たした人」が対象になると考えられます。

まとめ|週20時間以上働く=即年金加入ではないが条件次第

「106万円の壁」が撤廃されたとしても、週20時間以上働くだけで自動的に年金を払う義務が発生するわけではありません。学生であれば多くの場合は社会保険の適用除外となり、扶養や年金免除の対象になります。一方で、通信制や卒業間近の状況、また制度改正後の運用によっては加入義務が生じる可能性もあるため、事前に雇用先や年金事務所へ確認しておくことをおすすめします。

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