資産運用を考える際、個人向け国債と定期預金はどちらも元本保証があり、リスクを抑えた選択肢として人気です。しかし、利率や安全性、流動性など、さまざまな観点から比較することで、自分に適した商品を選ぶことができます。
利率の比較:定期預金の方がやや高め
2025年5月現在、個人向け国債(固定5年)の利率は年1.1%、一方で一部の銀行では定期預金(5年)の利率が年1.3%となっています。表面的には定期預金の方が利率が高く見えます。
ただし、定期預金の利率は金融機関や預入額によって異なるため、実際の利息収入を比較する際には注意が必要です。
安全性の比較:個人向け国債の方が高い
定期預金は、預金保険制度により、1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円とその利息が保護されます。これを超える部分は保護の対象外となります。
一方、個人向け国債は日本政府が元本と利息の支払いを保証しており、理論上の上限がなく、制度面ではより強固な安全性を備えています。
流動性の比較:定期預金の方が柔軟
定期預金は満期前でも解約可能で、緊急時の資金需要にも対応しやすいです。ただし、解約時の金利は通常大幅に下がります。
個人向け国債は発行後1年間は中途換金できず、2年目以降の換金でも直近2回分の利子相当額が差し引かれます。流動性の面では定期預金の方が優れています。
税制面の違い
どちらの商品も利息には20.315%の税金がかかります。ただし、個人向け国債の利子は半年ごとに支払われるため、定期的な収入として活用できます。
まとめ:目的に応じた選択を
定期預金は短期間での運用や流動性を重視する方に適しています。一方、個人向け国債は長期間の安全な運用を求める方や、1,000万円を超える資金を運用する方に向いています。
資産運用の目的や期間、流動性のニーズに応じて、これらの金融商品を適切に選択することが重要です。
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