年末調整の還付金を確認した際に、「保険などの控除を申請していないのに、還付税額が発生していた」という経験をする人は少なくありません。特に、給与明細に「還付税額」として金額が記載されていると、「なぜ返ってきたのか?」と疑問に思うこともあるでしょう。
年末調整とは?
まず、年末調整の仕組みについて簡単に説明します。年末調整は、会社が従業員の1年間の所得税を計算し、多く払いすぎた税金を還付または不足分を追加徴収する仕組みです。
通常、毎月の給与から源泉徴収される所得税は概算のため、年間の正確な税額と差額が発生します。その差額が還付として戻ってくることがあります。
保険などの控除を申請していないのに還付される理由
還付が発生するのは、必ずしも保険料控除や扶養控除を申請した場合だけではありません。以下のような理由で還付金が発生することがあります。
1. 毎月の源泉徴収額が多めに設定されていた
会社の給与計算では、所得税を多めに徴収している場合があります。これは、年末調整で正確な税額を計算し、過剰に徴収された分を還付するためです。
特に、ボーナスや昇給があった場合、月ごとの源泉徴収額が過大になりやすく、年末調整で調整されることがよくあります。
2. 給与の変動による影響
年間の給与額が途中で変わると、源泉徴収額と実際の税額に差が生じることがあります。
- 昇給や賞与の増減
- 一時的な給与の減少(休職・時短勤務など)
このような変動があると、過払い分が発生し、年末調整で還付される可能性があります。
3. 基礎控除・給与所得控除が適用される
年末調整では、基礎控除(48万円)や給与所得控除が自動適用されます。
たとえば、年間の給与が一定以下の場合、基礎控除により課税所得が低くなるため、所得税が軽減され、年末調整で還付されるケースがあります。
4. 住宅ローン控除が適用されている
住宅ローン控除を受けている場合、会社側が自動で適用していることがあります。初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で適用されるため、還付金が発生することがあります。
5. 社会保険料の増減による影響
年間の社会保険料(健康保険・厚生年金)が変動すると、課税所得が減少し、所得税額が調整されることがあります。特に、保険料の計算は年収に応じて変わるため、社会保険料の増加により還付が発生することもあります。
還付税額が10,500円だった理由
還付される金額は、源泉徴収の過払い分によって異なります。還付額が10,500円だった理由として考えられる要因は以下の通りです。
- 源泉徴収額が年間で約10,500円多く徴収されていた
- 給与所得控除や基礎控除の影響で所得税が減額された
- 住宅ローン控除や扶養控除が適用された可能性
正確な理由を確認するには、会社から配布される「源泉徴収票」を確認するとよいでしょう。
還付金を受け取る方法
年末調整による還付金は、通常は以下の方法で受け取ることができます。
- 給与と一緒に振り込まれる(翌月の給与振込時など)
- 給与明細に「還付税額」として記載される
- 退職済みの場合、会社から振込または現金支給
特に手続きは不要ですが、会社の給与担当に確認しておくと安心です。
まとめ
年末調整で控除を申請していないのに還付があった理由は、源泉徴収の過払い分が調整されたためです。
- 毎月の源泉徴収額が多めに設定されていることがある
- 給与の変動や昇給による影響で還付されることがある
- 基礎控除や給与所得控除が自動適用される
- 住宅ローン控除や社会保険料の増減も影響する
還付金の詳細を知りたい場合は、会社から発行される「源泉徴収票」を確認しましょう。
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