確定申告で医療費控除を利用すると、支払った医療費の一部を所得控除として申請でき、結果として所得税や住民税の負担が軽減されます。今回は、年間医療費が99,000円だった場合に、どの程度の税金が安くなるのかを解説します。
1. 医療費控除の基本ルール
医療費控除は、年間の医療費が「10万円」または「総所得金額等の5%」のいずれか低い方を超えた場合、その超えた部分が控除対象となる制度です。
つまり、医療費控除の計算式は以下のようになります。
控除額 = (年間医療費 – 10万円)または(年間医療費 – 総所得金額等の5%)
2. 99,000円の場合、控除額はあるのか?
基本的に、医療費控除の最低基準は10万円です。つまり、年間医療費が99,000円の場合は10万円に満たないため、控除額はゼロとなり、確定申告をしても所得税は安くなりません。
ただし、総所得金額が200万円以下の場合は「総所得の5%」が基準になるため、所得が200万円未満の人は以下の計算式で判断できます。
① 総所得金額が200万円以上の場合
控除額 = 99,000円 – 100,000円 = 控除対象なし
② 総所得金額が200万円未満の場合
例:総所得金額が180万円の場合
控除基準 = 180万円 × 5% = 90,000円
控除額 = 99,000円 – 90,000円 = 9,000円
この場合、9,000円が医療費控除として適用されます。
3. 控除額がある場合の所得税の減税額
医療費控除が適用された場合、控除額 × 所得税率によって税額が減ります。
例:所得税率が10%の場合
9,000円 × 10% = 900円(所得税の減税額)
住民税の減税も考慮すると、住民税率は一律10%なので、9,000円 × 10% = 900円(住民税の減税額)となります。
つまり、合計で1,800円の税金が軽減されます。
4. まとめ
年間医療費が99,000円の場合、総所得金額が200万円以上なら控除の対象外ですが、200万円未満なら一部控除が適用されます。
- 総所得が200万円以上 → 控除対象外(税金は安くならない)
- 総所得が200万円未満 → 一部控除適用(所得税と住民税の負担が軽減)
自身の所得状況に応じて、確定申告を行うかどうかを判断しましょう。
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