年金制度は、日本に住むすべての人が加入する仕組みです。しかし、「自分が払った年金がそのまま自分に返ってくるわけではない」と聞くと、少し混乱するかもしれません。本記事では、年金制度の仕組みを中学生にもわかるように解説します。
年金は「貯金」ではなく「世代間の支え合い」
まず、年金は「自分のお金を貯めておいて、将来それをもらう」ものではありません。年金制度は現役世代(今働いている人)が払ったお金を、現在の高齢者(すでに年金を受け取っている人)に渡す仕組みです。
これは「世代間扶養(せだいかんふよう)」と呼ばれます。つまり、今の高齢者がもらっている年金は、過去に自分が払ったものではなく、今働いている人たちが負担しているのです。
なぜ年金制度が必要なの?
昔の日本は、家族が高齢の親を支えるのが普通でした。しかし、核家族化が進み、子どもが親を支えることが難しくなりました。
そこで、国が「みんなでお金を出し合って、お年寄りを支える仕組みを作ろう!」と考えたのが年金制度です。これにより、どんな人でも老後の生活費を確保できるようになっています。
年金にはいくつかの種類がある
日本の年金には、主に以下の2つの種類があります。
- 国民年金(基礎年金):20歳以上のすべての人が加入するもの
- 厚生年金:会社員や公務員が加入し、給料に応じて多く払うが、もらえる額も増える
フリーターや自営業の人は国民年金だけですが、会社員は厚生年金にも加入し、将来もらえる額が増えます。
年金は多く払うと将来増える?
はい、年金は払う金額によって将来の受け取り額が変わります。
- 国民年金は定額(毎月決まった金額を支払う)
- 厚生年金は給料に応じて支払う金額が変わる(給料が高いほど多く払う)
厚生年金に加入している人は、多く払っている分、将来もらえる年金も増える仕組みになっています。
なぜ「自分の払った年金」が戻ってこないの?
年金制度は「今の若い世代が、現在の高齢者を支える」仕組みだからです。自分の払った年金がそのまま将来返ってくるのではなく、未来の若者が、自分の老後を支えてくれる形になります。
これは「社会全体で支え合う」という考えに基づいているからです。
まとめ
- 年金は「自分のお金を貯める」のではなく、「今の若者が、高齢者を支える制度」
- 高齢者が増え、若者が減ると、年金制度が厳しくなる可能性がある
- 厚生年金に加入すると、払う額が増えるが、将来もらえる年金も多くなる
- 年金制度は老後の生活を支えるために作られた仕組み
年金は単なる貯金ではなく、世代間で支え合う大切な制度です。今後の年金制度について考える際の参考にしてください。
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