仕事を退職し、次の職場に就くまでの間、国民健康保険に切り替えたら保険料が高額になったというケースは多くの人が経験する問題です。しかし、これは避けられないのでしょうか?この記事では、国民健康保険料が高額になる理由と、負担を軽減するための方法について詳しく解説します。
なぜ退職後の国民健康保険料は高額になるのか?
国民健康保険(国保)の保険料は、前年の所得に基づいて計算されるため、退職後で収入がなくても、前年の高い収入が基準になってしまうという特徴があります。
会社員時代に加入していた健康保険(社会保険)は、給与から一定割合が天引きされており、企業が半分負担していました。しかし、国民健康保険に加入すると、全額自己負担となるため、結果的に保険料が高く感じられるのです。
国民健康保険の負担を軽減する方法
国民健康保険に加入する際に、以下の方法を活用することで負担を軽減できます。
1. 「任意継続健康保険」を利用する
退職後も、最長2年間、会社の健康保険を継続できる「任意継続制度」を利用できます。これを利用すると、国民健康保険に比べて保険料が安く済むことが多いです。
メリット:
- 前年の所得に関係なく、会社員時代とほぼ同じ計算方法で保険料が決まる
- 扶養家族もそのまま継続できる
デメリット:
- 会社負担がなくなるため、実質的な保険料は2倍になる
- 手続き期限(退職後20日以内)があるため、早めの申請が必要
2. 「非自発的失業者の特例」を利用する
会社都合退職や契約満了など「非自発的失業者」に該当する場合、国民健康保険料を大幅に軽減できる特例制度があります。
制度のポイント:
- 前年の所得を30%に減額して国民健康保険料を計算
- 雇用保険の「特定受給資格者」や「特定理由離職者」が対象
手続きを行うには、ハローワークで発行される「雇用保険受給資格者証」を持参し、市区町村の役所で申請する必要があります。
3. 国民健康保険の減免制度を活用する
各自治体には、収入が大幅に減少した人のために、保険料の減免制度が設けられています。
減免対象となるケース:
- 前年に比べて収入が大幅に減少した
- 病気やケガ、災害などで働けない状態
- 低所得者向けの減免措置がある自治体
具体的な条件は自治体によって異なるため、住んでいる市区町村の役所に確認しましょう。
4. 扶養に入れるなら入る
配偶者や親などの扶養に入れる条件を満たしている場合、国民健康保険に加入せず、扶養者の健康保険に入ることができます。
扶養の条件:
- 収入が年間130万円未満(60歳以上や障害者は180万円未満)
- 扶養者の保険適用範囲内であること
どの方法を選ぶべきか?
状況に応じて、最適な方法を選びましょう。
状況 | おすすめの方法 |
---|---|
次の仕事が決まるまでの短期間 | 任意継続健康保険 |
会社都合退職で収入が減った | 非自発的失業者の特例 |
低所得になった | 国保の減免制度 |
配偶者や親が健康保険に加入している | 扶養に入る |
まとめ:国民健康保険料が高くなるのを防ぐには
退職後に国民健康保険へ切り替えると、前年の所得を基準に保険料が計算されるため、高額になることが多いです。しかし、「任意継続健康保険」「非自発的失業者の特例」「減免制度」などを活用することで、負担を大幅に軽減できます。
状況に応じた最適な方法を選び、無駄な出費を抑えるためにも、早めに自治体や保険組合に相談することをおすすめします。
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