障害年金を受給している人のうち、障害の状態について定期的な確認が必要とされている人には、指定された年に「障害状態確認届(診断書)」が送られます。引っ越し後にこの書類が届かず、気付いたときには提出期限を過ぎていたというケースでは、年金が今後どうなるのか不安になるでしょう。
ただし、提出期限を過ぎたことだけを理由に、その場で障害年金の受給権そのものがなくなるわけではありません。日本年金機構は、障害状態確認届を提出しない場合には年金の支払いが一時差し止めになる場合があると案内しています。まず必要なのは、年金事務所へ早急に連絡し、書類の再送付や住所登録の状況、現在の支払状況を確認することです。
障害状態確認届(診断書)はいつ送られてくる?
障害状態確認届は、障害年金の受給者全員が毎年提出するものではありません。障害の状態について引き続き審査が必要と指定された人へ、1~5年ごとの指定された年に送付されます。
日本年金機構によると、現在は原則として提出が必要な年の誕生月の3か月前の月末ごろに障害状態確認届が送られ、誕生月の月末までに提出します。例えば7月が誕生月でその年が診断書提出年なら、通常は4月末ごろに書類が発送されることになります。日本年金機構の障害状態確認届に関する資料は[参照]できます。
以前の障害年金関係書類に「次回診断書提出年月」が記載されている場合もあります。数年ごとの提出になっている人は忘れやすいため、指定年が近づいたら書類が届いているか確認しておくと安心です。
引っ越したのに診断書が届かなかった原因は?
引っ越し後に障害状態確認届が届かなかった場合、確認したいのが日本年金機構に登録されている住所です。日本年金機構では、マイナンバーが収録されている年金受給者は、住民票の住所変更情報を利用できるため、原則として年金関係の住所変更届は不要としています。
一方、日本年金機構にマイナンバーが収録されていない人や、住民票とは異なる住所に住んでいる人などは、「年金受給権者 住所変更届」が必要になります。日本年金機構の公式FAQでもこの取扱いが説明されています。[参照]
ここで注意したいのは、「マイナンバーカードを作っていない=日本年金機構にマイナンバーが収録されていない」とは限らないことです。マイナンバーカードの所持と、日本年金機構への個人番号の収録は別の話です。日本年金機構は、市区町村・事業主からの届出や法令に基づく情報照会などによってマイナンバーを収録している場合があります。収録状況は「ねんきんネット」でも確認できます。[参照]
郵便局と市役所へ住所変更しただけで十分とは限らない
市区町村で転居・転入の手続きを行い、郵便局にも転居届を出していたとしても、日本年金機構側の住所が必ず正しく更新されているとは断定できません。特にマイナンバーが未収録の場合などは、年金受給者自身の住所変更手続きが必要になります。
また、郵便局の転送は年金記録そのものの住所変更ではありません。転送期間や郵便物の取扱いなど別の要因もあるため、「なぜ届かなかったのか」は年金事務所に登録住所と発送状況を確認するのが確実です。
例えば4月に引っ越し、7月が診断書提出月だった場合、発送時期と転居時期が重なる可能性があります。旧住所への発送だったのか、新住所が登録されていたのかを確認すれば、原因を切り分けやすくなります。
診断書の提出期限を過ぎると障害年金はどうなる?
障害状態確認届の提出期限は原則として指定された年の誕生月末です。日本年金機構は、障害状態確認届が提出されない場合、障害年金の支払いが一時差し止めになる場合があると明記しています。
ここで「支払いの一時差し止め」と「審査の結果、障害等級に該当しなくなって支給停止になること」は分けて考える必要があります。診断書を出していないため確認できず支払いが止まっている状態と、提出した診断書を審査した結果として障害状態が基準に該当しないと判断されることは同じではありません。
したがって、期限を過ぎたことに気付いた場合は「もう手遅れだ」と判断せず、すぐ年金事務所へ連絡することが重要です。障害状態確認届が届いていないこと、引っ越しをしていること、提出期限を過ぎていることを伝え、必要な手続きを確認しましょう。
書類を再送してもらってから病院へ依頼する流れ
障害状態確認届が手元にない場合は、まず年金事務所へ連絡して対応を確認します。その際には基礎年金番号が分かる年金証書や年金関係の通知書などを手元に用意しておくと話が進みやすくなります。
書類を入手したら、指定された診断書を主治医へ渡して作成を依頼します。医療機関によって診断書完成までの日数は異なるため、1か月程度かかる病院であれば、その事情も含めて年金事務所へ相談しておくとよいでしょう。
また、古い診断書用紙をそのまま使ってよいとは限りません。診断書には指定された現症年月などの条件が関係するため、5年前に受け取った用紙へ自己判断で記入を依頼するのではなく、現在提出すべき書類を年金事務所に確認してください。
10月に診断書を提出したら次の振込は必ず翌年2月になる?
診断書を提出した月だけから「次の振込は必ず12月」「間に合わなければ必ず翌年2月」と判断することはできません。提出後には日本年金機構で障害状態の審査や支払処理が行われるため、処理に要する期間は個別の状況によって変わります。
例えば7月末が提出期限だった人が10月に提出した場合でも、いつ審査が終了し、いつ支払いが再開されるかは提出日だけでは確定できません。追加資料が必要になる場合などもあるため、具体的な支払見込みは年金事務所へ確認する必要があります。
重要なのは、「提出が遅れた=その間の年金が当然に全部なくなる」とは限らないという点です。提出遅れによる一時差し止めなのか、障害状態の審査による支給停止なのかで意味が異なります。実際の取扱いは受給者ごとの記録と審査結果によって決まるため、生活資金にも関わる場合は早急に年金事務所へ確認しましょう。
障害年金が奇数月に振り込まれることはある?
公的年金の通常の定期支払いは、原則として偶数月の15日に前2か月分が支払われます。15日が土曜日・日曜日・祝日の場合は、その直前の金融機関営業日に支払われます。
しかし、年金は必ず偶数月にしか振り込まれないわけではありません。日本年金機構の制度説明資料では、初回の年金支払いや、過去にさかのぼって年金が増額された場合などには奇数月に支払われることもあると説明されています。[参照]
また、日本年金機構の「年金支払通知書」の説明でも、過去にさかのぼって年金が決定・変更された場合には、定期支払額とは別に過去分が一時払いされることが示されています。[参照]
今すぐ確認したい4つのこと
障害状態確認届が届かなかったことに気付いた場合は、次の順番で確認すると状況を整理しやすくなります。
- 年金事務所に登録されている現在の住所を確認する
- 今年が障害状態確認届の提出対象年だったか確認する
- 現在、年金が提出遅れによる一時差し止めになっているか確認する
- 障害状態確認届の再交付・提出方法と、現時点での支払見込みを確認する
特に生活費に影響している場合は、診断書が完成するまで待ってから連絡するのではなく、先に年金事務所へ連絡する方がよいでしょう。書類が届かなかった経緯を伝えたうえで、現在必要な手続きを確認できます。
「来年2月まで絶対に振り込まれない」と自分で決めつける必要はありません。奇数月の支払いが行われるケースもあり、実際の再開時期は個別の処理状況によって異なるためです。
まとめ|障害年金の診断書が届かなかったら、まず住所と支払状況を年金事務所へ確認
障害状態確認届は、提出が必要な年には原則として誕生月の3か月前の月末ごろに送られ、誕生月末が提出期限です。引っ越し後に届かなかった場合、日本年金機構に登録されている住所やマイナンバー収録状況を確認する必要があります。
マイナンバーカードを持っていなくても、日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合があります。逆に未収録の場合などは住所変更届が必要になるため、「カードを作っていないから住所が伝わらなかった」とは一概にはいえません。
そして診断書の提出が遅れると年金の支払いが一時差し止めになる場合がありますが、提出期限を過ぎただけで受給権が直ちになくなるという意味ではありません。書類の再交付を受けて速やかに診断書を提出し、現在の支払状況を年金事務所に確認することが第一です。通常の定期払いは偶数月ですが、状況によって奇数月に支払いが行われる場合もあるため、翌年2月まで支払いがないと決めつけず、個別の処理予定を確認しましょう。


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