手取り20万円前後で、1着1万円〜1万7000円ほどの好きなブランドの服を買う場合、「月1着しか買えないのは少ないのか」と気になることがあります。しかし、服を何着買うかには家賃、貯蓄額、実家暮らしか一人暮らしかなどが大きく影響するため、手取り額だけから適正な着数を決めることはできません。
むしろ重要なのは「月に何着」という着数ではなく、年間で衣服にいくら使えるかです。1着1万円〜1万7000円のブランドなら、月1着でも年間12着。平均1万3500円なら年間16万2000円となるため、決して小さな買い物ではありません。
この記事では、公的な家計統計も参考にしながら、手取り20万円の人が服に使える現実的な予算、月1着というペースの考え方、好きなブランドを我慢しすぎずに楽しむ方法を整理します。
手取り20万円なら服は月何着が普通?
結論からいうと、「手取り20万円なら月○着が普通」という基準はありません。同じ手取り20万円でも、家賃7万円を払う一人暮らしと、実家暮らしで住居費をほとんど負担していない人では、自由に使える金額が数万円単位で変わるからです。
また、5000円の服を月2着買う人と、1万5000円の服を月1着買う人では、着数は前者のほうが多くても衣服への支出は後者のほうが大きくなります。そのため、他人と比較するときにも「何着買っているか」だけではあまり意味がありません。
1着1万円〜1万7000円程度のブランドを好むのであれば、月1着という買い方は十分現実的です。毎月必ず購入する必要もなく、欲しいものがない月は0着にして、その分をアウターや靴など高額商品のために積み立てる方法もあります。
統計では服や靴に毎月いくら使っている?
総務省統計局の「日本の統計2026」に掲載されている2024年の家計調査データでは、単身世帯の「被服及び履物」への1か月平均支出は4,881円でした。34歳以下では7,693円となっています。ここには衣類だけでなく履物なども含まれるため、「服を毎月何着買っているか」を直接示す数字ではありません。[参照] 総務省統計局「日本の統計2026」
例えば1着1万5000円の服を毎月購入すると年間18万円です。月平均に直しても1万5000円なので、上記の単身世帯平均よりかなり多く衣服に予算を割く生活になります。ただし、平均より多いから使いすぎだと直ちに判断できるわけではありません。
服が趣味なら衣服費が平均より高くても、その代わり外食、ゲーム、旅行、車、飲酒など別の支出が少ない場合があります。家計は項目ごとの平均値に合わせるものではなく、収支全体で無理がないかを見ることが大切です。
1着1万円〜1万7000円を月1着買うと年間いくら?
月1着なら大したことがないように感じますが、年間で計算すると予算の大きさが分かりやすくなります。
| 1着の価格 | 月1着の場合 | 年間購入数 | 年間支出 |
|---|---|---|---|
| 10,000円 | 10,000円 | 12着 | 120,000円 |
| 13,500円 | 13,500円 | 12着 | 162,000円 |
| 17,000円 | 17,000円 | 12着 | 204,000円 |
手取り20万円なら年間の手取りは、賞与を除いて単純計算すると240万円です。年間12万円なら手取りの5%、16万2000円なら約6.8%、20万4000円なら約8.5%を服に使う計算になります。
ここに靴、バッグ、下着、仕事着、クリーニング代などが加わる場合は、ファッション関連の総支出はさらに増えます。そのため「月1着買えるか」だけではなく、関連費用まで含めた年間予算を作っておくと家計管理がしやすくなります。
手取り20万円で月1万5000円の服を買う家計例
例えば一人暮らしで手取り20万円、家賃6万円の場合を考えてみます。実際の生活費は地域や生活スタイルによって大きく異なりますが、考え方の一例は次のようになります。
| 項目 | 月額の例 |
|---|---|
| 手取り | 200,000円 |
| 家賃 | 60,000円 |
| 食費 | 35,000円 |
| 水道光熱費 | 12,000円 |
| 通信費 | 7,000円 |
| 日用品・医療など | 10,000円 |
| 交通費 | 8,000円 |
| 貯蓄 | 30,000円 |
| 服 | 15,000円 |
| 残り | 23,000円 |
この例なら、毎月1万5000円を服に使いながら3万円を貯蓄し、さらに2万3000円を交際費や娯楽費などに回せます。したがって、家賃などの固定費がそれほど高くなければ、手取り20万円でも月1着程度のブランド服を買うことは十分考えられます。
反対に家賃が8万円、奨学金返済が2万円、車の維持費が3万円というような状況なら、同じ手取り20万円でも服に毎月1万5000円を使う余裕は小さくなります。手取り額より固定費の大きさが重要ということです。
「月1着しか買えない」ではなく年間12着と考える
お気に入りのブランドがあると、新作が出るたびに欲しくなり、月1着では少なく感じることがあります。しかし年間で考えれば、月1着は12着です。3年間続けば36着になります。
すでに十分なワードローブがある場合、新しく年間12着追加するだけでもかなりのペースです。特に品質がよく長期間着られるブランドなら、安い服を毎月何着も買うより、お気に入りを少数ずつ増やすほうが満足度が高くなることもあります。
例えば1万5000円のシャツを30回着れば、1回当たり500円です。一方、5000円のシャツを3回しか着なければ1回当たり約1667円になります。価格だけでなく実際にどのくらい着るかも、買い物の価値を考える重要な基準です。
毎月1着に固定しないほうが好きなブランドを楽しみやすい
ブランド服の場合、毎月同じ価格の商品が欲しくなるとは限りません。Tシャツが1万円、シャツが1万5000円、ジャケットが4万円というように商品によって価格差があります。
そこで「毎月1着買う」というルールより、「毎月1万5000円を服用に確保する」という方法が使いやすくなります。欲しい服がない月は購入せず、予算だけ翌月へ繰り越します。
例えば1〜2月に何も買わず毎月1万5000円を積み立てれば3万円になります。3月分も合わせれば4万5000円となり、4万円のアウターを無理なく購入できます。この方法ならクレジットカードの分割払いやリボ払いに頼らず、高価格帯の商品も選びやすくなります。
ボーナスを服代の前提にしすぎない
賞与がある会社なら「ボーナスで服をまとめ買いする」という方法もあります。ただし、賞与は会社業績や査定などによって変動する可能性があるため、毎月の生活がボーナス頼みになる予算設計は避けたほうが安全です。
例えば通常月は1万円をファッション積立にし、ボーナスが実際に入った後で追加予算を決める方法があります。先にボーナスを当て込んでクレジットカードで購入するより、手元に入った金額を確認してから使うほうが家計は安定します。
特にコート、靴、バッグなど数万円の商品は、月々の服代とは別に年間予算を作っておくと突然大きな出費になりません。
服を買いすぎているか判断する3つのポイント
衣服費が適正かどうかは平均との比較だけでは判断できません。次の3点を満たしているなら、平均より服にお金を使っていても家計上は大きな問題になりにくいでしょう。
- 毎月の生活費を問題なく支払えている
- 一定額の貯蓄や緊急予備資金を確保できている
- 服を買うためにリボ払いや借入を常用していない
逆に「給料日前になると生活費が足りない」「カード請求を翌月の給料で穴埋めしている」「服を買ったため貯金が毎月減っている」という状態なら、購入着数にかかわらず予算を見直したほうがよいサインです。
趣味にいくら使うかには唯一の正解がありませんが、趣味の支出によって将来必要なお金や日常生活が圧迫されていないことが一つの基準になります。
服好きなら「服専用口座・予算」を作るのも便利
ファッションが趣味なら、余ったお金で服を買うのではなく、給料日にあらかじめ一定額を服用として分ける方法があります。例えば手取り20万円から毎月1万2000円をファッション予算として確保します。
1万円の商品ならその月に買えます。1万7000円の商品が欲しければ、前月の残額と合わせて購入します。5万円のアウターなら数か月積み立てます。この仕組みにすると「今月あといくらなら服を買ってよいか」が明確になります。
同時に貯蓄も給料日に先取りしておけば、服を買った後に「今月は貯金できなかった」という事態も防ぎやすくなります。
平均よりも「自分が何にお金を使いたいか」で決める
総務省の家計調査では、単身世帯の被服・履物への平均支出を確認できますが、平均値はあくまで多数の世帯を集計した数字です。[参照] 総務省統計局「家計調査年報」
服にほとんど興味がない人なら月0円のこともあります。一方、ファッションが最大の趣味なら月2万円使い、その代わり旅行や外食にはほとんど使わないという選択もあります。
そのため「他の手取り20万円の人は何着買っているか」より、生活費・貯蓄を確保した後、自分は自由に使えるお金の何割を服に使いたいのかを考えたほうが、自分に合った答えを出しやすくなります。
まとめ|1万円〜1万7000円の服なら月1着でも十分楽しめる
手取り20万円だから月何着まで、という決まりはありません。住居費や貯蓄目標によって使える金額は大きく異なるため、着数ではなく金額で管理するのがおすすめです。
1着1万円〜1万7000円のブランドを月1着購入すると、年間では12万円〜20万4000円になります。年間12着なので、好きなブランドを少しずつ揃えていくペースとしては決して少なすぎるとはいえません。
また、毎月必ず1着買う必要もありません。「月1着」ではなく「毎月1万円〜1万5000円をファッション予算として積み立てる」と考えれば、欲しいものがない月のお金を翌月へ回し、数万円のアウターや靴にも対応できます。
服が好きなら平均より衣服費が高くても問題とは限りません。生活費を滞りなく払い、必要な貯蓄を確保し、借金やリボ払いに依存していないのであれば、残った自由費の中で好きなブランドを楽しむことは合理的な家計の使い方の一つです。


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