iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金を準備するための制度ですが、若い世代では「60歳まで引き出せない」という点から始めるべきか迷う人も少なくありません。特にNISAですでに投資をしている場合、iDeCoを追加するメリットがあるのか気になるところです。
この記事では、20代前半でNISAを活用している人がiDeCoを検討するときに知っておきたい、税制メリット、資金拘束の注意点、NISAとの使い分けについて詳しく解説します。
iDeCoとは老後資金を作るための年金制度
iDeCoは、自分で掛金を拠出して運用し、将来の老後資金を準備する私的年金制度です。毎月一定額を積み立て、その資金を投資信託や定期預金などの商品で運用します。
最大の特徴は税制上のメリットがあることです。掛金が所得控除の対象になるため、所得税や住民税の負担を軽減できる可能性があります。
例えば会社員で毎月1万円をiDeCoに拠出した場合、その年間12万円が所得控除の対象となり、所得税や住民税の税率によっては節税効果が期待できます。
NISAとiDeCoの大きな違いは資金を引き出せるかどうか
NISAとiDeCoはどちらも投資による利益が非課税になる制度ですが、使う目的や自由度が大きく異なります。
NISAは投資した商品をいつでも売却して現金化できます。そのため、住宅購入、転職、病気、急な出費など将来のお金の使い道に柔軟に対応できます。
一方でiDeCoは原則として60歳になるまで資金を引き出すことができません。そのため、生活防衛資金が十分でない状態で大きな金額を入れると、途中でお金が必要になった場合に困る可能性があります。
21歳でiDeCoを始めるメリットは長期間運用できること
若いうちからiDeCoを始める大きなメリットは、運用期間を長く取れることです。投資では時間を味方につけることで、複利効果を活かしやすくなります。
例えば21歳から毎月1万円を60歳まで積み立てた場合、積立期間は約39年間になります。短期間では値動きの影響を受けやすい投資でも、長期間では市場の成長を取り込める可能性があります。
ただし、若いうちは結婚、住宅購入、転職、独立など大きなライフイベントが発生する可能性もあります。そのため、すべての余裕資金をiDeCoに回すのではなく、将来の選択肢を残すことも重要です。
貯金150万円の場合はiDeCoより生活防衛資金を優先する考え方もある
投資を始める前に重要なのが、急な出費に対応できる現金を確保しておくことです。一般的には生活費の数か月分程度の預貯金を用意しておくと安心と言われています。
実家暮らしで生活費が少ない場合でも、車の購入、引っ越し、資格取得、家電購入などまとまったお金が必要になる場面があります。
例えば貯金150万円のうち、将来使う可能性がある資金までiDeCoに回してしまうと、必要なタイミングで資金を動かせなくなる可能性があります。まずは現金の余裕を確認し、余剰資金でiDeCoを利用することが大切です。
NISAを優先してiDeCoを追加する判断基準
すでにNISAで毎月3万円の積立投資をしている場合、まずはその継続が重要です。NISAは非課税で運用できるうえ、必要なときに売却できる自由があります。
そのうえで、毎月の収入から余裕資金が残り、60歳まで使わなくても問題ない金額がある場合にはiDeCoを検討するとよいでしょう。
例えば、毎月の生活費や貯金を確保したあとに1万円程度余裕がある場合、その一部をiDeCoに回すという方法があります。NISAとiDeCoは競争する制度ではなく、目的に合わせて使い分ける制度です。
iDeCoを始める前に確認したい注意点
iDeCoには節税メリットがありますが、加入時や運用中に手数料がかかる点には注意が必要です。また、運用商品によっては元本割れする可能性もあります。
特に若い世代の場合、今後の収入増加や生活環境の変化が大きいため、無理のない掛金設定から始めることが大切です。
最初から大きな金額を設定するのではなく、家計の状況を見ながら変更できる範囲で利用すると、長く続けやすくなります。
まとめ
iDeCoは税制メリットが大きく、21歳のような若い時期から始めることで長期運用の恩恵を受けやすい制度です。
しかし、NISAと違って60歳まで資金を引き出せないため、貯金や今後のライフイベントを考えずに始めるのは注意が必要です。
NISAを継続しながら、生活防衛資金を確保したうえで余裕資金がある場合にiDeCoを追加するという考え方が、多くの人にとって無理のない資産形成方法になります。


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