個人事業主の方から「前年より収入が減ったのに国民健康保険料が上がった」という疑問は多く聞かれます。国民健康保険料は単純に現在の売上や収入だけで決まるものではなく、前年の所得や自治体ごとの計算方法、控除の状況など複数の要素によって決まります。
そのため、所得が下がったにもかかわらず保険料が高くなるケースは珍しくありません。この記事では、個人事業主の国民健康保険料が上がる主な理由や、市役所へ問い合わせる際の確認ポイントについて詳しく解説します。
国民健康保険料は現在の収入ではなく前年所得をもとに計算される
国民健康保険料は、その年の収入だけを見て決まるものではありません。基本的には前年の所得をもとに計算されます。
例えば、2025年度の国民健康保険料は、基本的に2024年中の所得を基準として計算されます。そのため、今年になって収入が減少していても、前年の所得が高ければ保険料が高くなることがあります。
個人事業主の場合、売上ではなく、売上から必要経費を差し引いた「所得」が基準になります。そのため、確定申告の内容が国民健康保険料に大きく影響します。
所得が下がったのに国民健康保険料が上がる主な理由
所得が減少しているにもかかわらず国民健康保険料が上がる理由はいくつか考えられます。
- 前年と前々年で計算対象となる所得の年度が違う
- 自治体の保険料率が変更された
- 国民健康保険加入者が増えた
- 所得控除の状況が変わった
- 軽減制度の対象から外れた
例えば、前年は事業所得が少なく国民健康保険料の軽減対象だったものの、今年は少し所得が増えたことで軽減が適用されなくなり、結果として保険料が高くなるケースがあります。
また、国民健康保険は自治体ごとに保険料率や計算方法が異なるため、住んでいる市区町村の制度変更によって金額が変わる場合もあります。
国民健康保険料は所得だけでなく加入者数なども影響する
国民健康保険料は、大きく分けると「所得割」「均等割」「平等割」などの項目から計算されます。自治体によって名称や組み合わせは異なります。
所得割は所得に応じて計算されますが、均等割は国民健康保険に加入している人数に応じて加算されます。
例えば、前年は1人だけ国民健康保険に加入していたものの、家族が会社の健康保険から国民健康保険へ変更になった場合、所得が変わらなくても保険料が増えることがあります。
確定申告の内容によって国民健康保険料が変わることがある
個人事業主の場合、確定申告で申告した所得金額が国民健康保険料の計算に利用されます。
売上が減っていても、必要経費の減少や控除内容の変化によって、国民健康保険料の計算対象となる所得が前年と大きく変わらない場合があります。
例えば、前年は設備投資による大きな経費があったため所得が低く計算されていたものの、翌年は経費が減ったことで所得が増えるケースがあります。
国民健康保険料が高いと感じた場合はどこへ問い合わせるべきか
国民健康保険料の計算内容を確認したい場合は、住んでいる市区町村の国民健康保険担当窓口へ問い合わせるのが適切です。
問い合わせる際には、届いた国民健康保険料の通知書や確定申告書の控えを準備すると、具体的な確認がしやすくなります。
市役所では「前年所得がいくらとして計算されているか」「所得控除は反映されているか」「軽減制度が適用されているか」などを確認できます。
国民健康保険料の確認時にチェックしたいポイント
保険料の金額に疑問を感じた場合は、以下の点を確認すると原因を把握しやすくなります。
- 計算対象になっている所得の年度
- 確定申告した所得金額
- 経費や控除の反映状況
- 加入している人数
- 自治体の保険料率変更の有無
特に個人事業主の場合、売上と所得は異なるため注意が必要です。売上が減っていても、所得や控除の状況によって国民健康保険料が上昇することがあります。
通知書の内容だけでは分かりにくい場合でも、市区町村の窓口で計算根拠を確認することで原因が分かるケースが多くあります。
まとめ:国民健康保険料は収入減でも上がることがある
個人事業主の場合、国民健康保険料は単純に現在の収入だけで決まるものではありません。前年所得、自治体の保険料率、加入人数、控除や軽減制度などによって変動します。
そのため、前年より収入が減っていても国民健康保険料が上がることはあり得ます。
金額に疑問がある場合は、自己判断で原因を推測するよりも、市区町村の国民健康保険担当窓口へ通知書を持参して確認するのがおすすめです。計算内容を確認することで、誤りがないかや利用できる制度がないかを確認できます。


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