株式会社を経営していて従業員がいなくなった場合、労災保険や雇用保険をそのまま維持すべきか、それとも廃止手続きを行うべきか悩む経営者は少なくありません。特に今後また従業員を雇う可能性がある場合、手続きの手間や費用を考慮して判断する必要があります。この記事では、従業員ゼロの会社における労災保険・雇用保険の扱いについてわかりやすく解説します。
従業員がいなくなった場合の労災保険・雇用保険の基本ルール
労災保険と雇用保険は、原則として労働者を雇用している事業所が加入対象です。そのため、従業員が1人もいなくなった場合は、適用事業としての要件を満たさなくなる可能性があります。
特に雇用保険は、被保険者となる従業員がいなければ維持する意味がなくなるため、通常は「雇用保険適用事業所廃止届」の提出を検討します。
労災保険は残した方がよいのか
法人の代表取締役は原則として労災保険の対象外です。そのため、従業員がいない状態では通常の労災保険を維持するメリットは限定的です。
ただし、中小企業事業主等の特別加入制度を利用している場合は事情が異なります。特別加入している場合は、代表者自身が労災補償を受けられるため、事業内容やリスクによっては継続する選択肢もあります。
| 状況 | 労災保険の扱い |
|---|---|
| 従業員なし・特別加入なし | 廃止を検討 |
| 従業員なし・特別加入あり | 継続のメリットあり |
| 近いうちに再雇用予定 | 状況に応じて判断 |
雇用保険は廃止した方がよいケースが多い
雇用保険は労働者の失業給付などを目的とする制度です。被保険者となる従業員がいなければ保険料の計算対象もなくなります。
そのため、従業員がゼロになった時点でハローワークへ届出を行い、事業所廃止や被保険者喪失の手続きを進めるケースが一般的です。
将来的に再び人を雇う場合でも、その時点で再度適用手続きを行うことができます。
今後また従業員を雇う可能性がある場合の判断基準
数か月以内に採用予定が決まっている場合は、社会保険労務士や労働基準監督署、ハローワークへ相談したうえで対応を決めるのがよいでしょう。
一方で採用時期が未定であり、当面は従業員を雇う予定がない場合は、適正な手続きを行って一旦廃止した方が管理上もわかりやすくなります。
実際には、従業員がゼロの状態が1年以上続く見込みであれば、一度整理しておく経営者も少なくありません。
放置するリスクにも注意
従業員がいないにもかかわらず必要な届出を行わないままにしていると、年度更新や各種報告書の提出案内が届き続ける場合があります。
また、行政側の登録情報と実態が一致しない状態になるため、後から確認や説明を求められることもあります。
従業員ゼロになった時点で、現在の加入状況を一度整理することが重要です。
まとめ
従業員がいなくなった株式会社では、雇用保険は廃止手続きを行うのが一般的です。労災保険についても、特別加入を利用していない場合は廃止を検討するケースが多くなります。
ただし、近いうちに再び従業員を雇う予定がある場合や、代表者が特別加入している場合は継続のメリットもあります。最終的には事業計画や採用予定を踏まえ、労働基準監督署やハローワーク、社会保険労務士へ相談しながら判断するのがおすすめです。


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