老齢厚生年金だけでは生活が厳しいと感じる高齢者が、副収入としてフリマアプリの活用を始めるケースが増えています。特にメルカリなどで不用品を売却し、収入を得ることはよくある手段です。しかし、「年金が減額されるのでは?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。本記事では、老齢厚生年金とメルカリ収入の関係について、税制や減額制度を踏まえて解説します。
年金の種類と収入の影響の違い
まず理解しておきたいのは、年金の種類によって収入の影響が異なるという点です。老齢年金は原則として受給条件を満たせば誰でも支給されますが、60〜64歳の間に年金を受け取る場合(特別支給の老齢厚生年金など)や、在職老齢年金として受給する場合は、一定以上の収入があると支給額が減額される可能性があります。
ただし、65歳以上で通常の老齢厚生年金を受けている場合、給与収入や事業所得が一定額を超えない限り、年金が減額されることは原則ありません。
メルカリで得た利益は課税対象?
メルカリで得た収入が課税対象になるかどうかは、その「性質」によって異なります。不用品を個人的に売った場合、その収入は原則として非課税です。たとえば、使わなくなった模型や衣類などの家庭用資産を売却した場合は、課税対象にはなりません。
一方で、転売目的で仕入れた商品を継続的に販売している場合や、年間20万円以上の利益を出している場合には、雑所得または事業所得として申告が必要になることがあります。
収入80万円のケース:年金に影響はある?
相談者のように「模型などの不用品を売却して、80万円の利益を得た」場合でも、それが家庭用資産の売却とみなされるなら所得税や住民税の課税対象にはならず、年金に影響する可能性も低いと考えられます。
ただし、その利益が「反復継続的な取引」であると税務署に判断された場合、雑所得とされ課税対象になる可能性があるため注意が必要です。特に高額商品を頻繁に売却している場合は慎重に判断しましょう。
在職老齢年金と収入制限の注意点
65歳以上でも、在職老齢年金の制度が適用されている場合には、収入の合計額(年金+給与など)が一定額を超えると年金が一部減額されることがあります。2024年時点では、合計月収が47万円を超えると超えた部分の半分が年金から差し引かれます。
ただし、メルカリで得た所得が雑所得・事業所得とみなされる場合でも、この「月収」に該当するかどうかの解釈は複雑なため、税務署または年金事務所に個別相談するのが望ましいです。
税務署・年金事務所への確認が安心
フリマアプリでの収入が年金にどう影響するかは、「不用品の売却」か「事業的取引」かの判断が鍵になります。年金が減額される可能性があるかどうかを正確に把握したい場合、最寄りの税務署または日本年金機構の窓口で確認しましょう。
売却履歴や購入履歴などをもとに、税務署から事業性ありと判断された場合には確定申告が必要になり、住民税や国保料にも影響することがあるため、早めの対応が大切です。
まとめ:老齢厚生年金とメルカリ収入の関係を正しく理解しよう
メルカリで80万円の収入があっても、それが「不用品の売却」であれば原則非課税であり、老齢厚生年金にも影響しないケースが多いです。ただし、継続的な転売や高額取引は課税対象となることがあるため要注意です。
不安な場合は、税務署や年金事務所に相談し、正確な情報に基づいて行動しましょう。副収入と年金の両立には、正しい知識と計画が欠かせません。
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