社会保険を外すと脅された?アルバイトでも知っておくべき社保の加入基準と違法リスク

社会保険

アルバイト先でのトラブルをきっかけに、上司から「社会保険を外す」と告げられたという経験をした方もいるかもしれません。しかし、社会保険の加入や除外は法的に明確な基準に基づいて行われるべきものであり、会社が恣意的に決められるものではありません。本記事では、社会保険の仕組みと、勤務実態に基づく正しい知識、そして違法性の有無について解説します。

社会保険に加入すべき条件とは?

社会保険(健康保険と厚生年金)への加入義務は、労働時間や契約内容に基づき法律で定められています。特にパート・アルバイトの場合、以下の条件に該当すると加入義務が生じます。

  • 1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上
  • または、週20時間以上・月額賃金8.8万円以上など一定条件を満たす場合

つまり、週5日勤務であれば、社会保険に加入する可能性が非常に高くなります。

「社保を外す」と言われたら何が起きる?

上司から「社会保険から外す」と言われた場合、その意味は大きく2つ考えられます。

  • ①勤務時間を減らして加入条件から外す
  • ②勤務条件はそのままで、意図的に社保に入れない

①は法的には可能ですが、就業契約を一方的に変更するには本人の同意が必要です。②は明確に違法です。働き方が社保の加入基準を満たしているのに保険料が差し引かれていない場合、会社が法律違反をしていることになります。

勤務時間はそのままなのに保険料が引かれない場合

例えば、これまで通り週5日勤務しているにもかかわらず、給与明細に保険料の記載がなくなっていた場合、それは会社の違法行為である可能性があります。

このような事態では、労働基準監督署または年金事務所に相談することで、会社に対して是正勧告が出されることもあります。

「脅し」では済まされない。労働者にできる対処法

まずは人事・総務などの適切な部署に確認しましょう。「保険の適用除外手続きがなされているか」「勤務条件に変更があるのか」など、事実を明らかにすることが重要です。

それでも不明瞭なまま対応がなされない場合、以下の相談先があります。

相談は無料で受けられることも多いため、早めに行動を起こすことが大切です。

実例:同様のケースで労基署に相談し是正された事例

ある飲食チェーンで働いていた大学生アルバイトは、上司から「社保を外す」と一方的に通告されました。勤務時間は変更されなかったため、最寄りの労基署に相談したところ、会社に調査が入り、社保への再加入と未払い保険料の清算が行われました。

このように、正しい知識と行動で労働者は自分の権利を守ることができます。

まとめ:勤務条件に合致していれば社保加入は義務

社会保険の加入は、勤務実態に基づいて法律で義務付けられています。雇用側の「罰」や「裁量」で加入・除外できるものではありません。勤務時間が変わらないにも関わらず、保険料が引かれていない場合は違法の可能性があるため、まずは会社に事実確認を。状況が改善しない場合は労基署等の公的機関に相談し、正当な権利を守りましょう。

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