失業保険と扶養の両立はできる?扶養内で働きたい人が取るべき選択肢と対策

社会保険

失業保険を受け取りつつ、配偶者の扶養内に留まって働きたい――これは多くの家庭で直面するテーマです。特に、将来的に子どもを望んでいて、扶養内で無理なく働きたいと考える方にとって、失業保険と扶養の関係を正しく理解することはとても重要です。

失業保険と扶養は基本的に両立できない

まず理解しておきたいのは、失業保険(基本手当)を受け取っている間は、原則として健康保険上の扶養には入れないという点です。これは「就職の意思と能力がある」とみなされ、実質的に被保険者と同等と扱われるためです。

また、年金についても、失業保険を受給している期間は第3号被保険者(扶養)になれず、自分で国民年金を納める必要があります。

年収の壁と失業保険の関係

配偶者の扶養に入るには、年収の壁がいくつかあります。

  • 103万円の壁(所得税):超えると扶養控除が受けられない
  • 130万円の壁(社会保険):超えると扶養から外れる

今回のケースでは、4月までの給与所得80万円+失業保険約45万円=125万円で、扶養範囲ギリギリです。失業保険の受給額によっては、年収ベースで130万円を超えるため、社会保険扶養には戻れない可能性も高くなります。

ただし、失業保険は「非課税所得」のため、税法上の103万円の扶養判定には含まれませんが、健康保険の扶養判断には含まれる場合があります。健康保険組合によって運用が異なるため、必ず夫の加入している保険組合に確認するのがベストです。

失業保険を受け取るか?バイトで働くか?

選択肢は大きく分けて2つあります。

選択肢1:失業保険を受け取って扶養を外れる

メリット:求職活動に専念できる。最大45万円を受け取れる。

デメリット:扶養を外れ、年金・健康保険の保険料を自分で払う必要がある。受給後も扶養に戻れない可能性がある。

選択肢2:失業保険を辞退して扶養内でバイト

メリット:扶養に入り続けられる。働いた分の収入+税・保険面で優遇される。

デメリット:失業保険を放棄することになる。バイトが見つからないと収入がゼロになる可能性。

今後の働き方をどう設計するか

失業保険は基本的に「再就職する意思がある人」向けの制度です。つまり、子育てに備えて扶養内で働きたいという考え方とは若干ズレがあるため、ハローワークでも「面接は受けましたか?」などのアクションを求められます。

そのため、再就職の意思がない、あるいは明確に扶養内でパートを考えているのであれば、失業保険の受給は辞退して、その代わりに「月8万円程度の扶養内パートで安定収入」を得るという選択が現実的です。

一方で、扶養から外れても手取りが多くなる期間が数ヶ月あるなら、失業保険を受給してから改めて扶養に戻るのも有効な戦略です。

まとめ

失業保険と扶養は原則として同時に成立しません。失業保険を受け取る場合は扶養を一時的に外れる必要があり、受給後に収入次第で扶養に戻れるかどうかはケースバイケースです。

「扶養内で働く」ことが優先であれば、失業保険は辞退してパートに切り替えるのが最もシンプルで家計への影響も読みやすい方法です。どちらの選択肢が家庭にとって最適か、収入と支出のバランスを見ながら判断していきましょう。

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