ネット銀行を利用していると、セキュリティ上の観点から振込が保留されるケースに遭遇することがあります。特に高額の振込や家族間の名義違いなどがある場合、銀行側が「不正の可能性あり」と判断することがあります。本記事では、楽天銀行などのネット銀行における振込停止の理由と、その対処法について詳しく解説します。
なぜ正当な振込でも楽天銀行で止められるのか
楽天銀行をはじめとするネット銀行は、不正送金や詐欺被害を未然に防ぐため、AIによる不正検知システムを導入しています。このシステムが普段と異なる操作や高額の送金などを検出すると、自動的に振込を一時保留する措置を取ることがあります。
たとえ本人の同意があっても、口座名義と操作者の関係性が明確でない場合や、施設などからの通信が特殊なパターンと判定された場合は、リスク判定の対象となります。
「本人確認が必要」と言われる理由
振込が保留された場合、本人確認が求められるのは金融庁のガイドラインに基づく対応です。特に家族や代理人が操作した際には、本人の意思確認を徹底することが義務付けられており、電話などによる直接確認が必須となることがあります。
施設入所中などで連絡が取れない状況においても、代理人による操作に対して無条件で解除することは難しいのが現状です。
50万円の振込が「凍結状態」になる仕組み
銀行が保留した振込資金は、出金済のように見えても、実際には銀行側で保留・留置されている状態です。この間、振込先には届かず、元口座にも戻されていないことが多く、資金は「宙ぶらりん」となります。
このような措置は、金融庁の犯罪収益移転防止法に基づくリスク対応の一環として行われています。
実際に起こり得る事例と対処法
例として、親が施設入所中で口座の操作を子どもが代理で行ったケースで、50万円の振込が保留された事例があります。楽天銀行では本人による電話確認がない限り、対応が進まないケースがありました。
このような場合、施設のスタッフ立ち会いのもと、本人が短時間でも通話可能な日時を確保することが現実的な対処法となります。また、振込が急を要する場合は、現金書留や他の金融機関を使うなどの代替手段も検討する必要があります。
ネット銀行利用時に気をつけたいポイント
- 高額送金時には事前に銀行へ連絡しておく
- 家族名義の代理操作は基本的に避ける
- 本人と連絡がつかない場合は別の送金手段を検討
- あらかじめ振込パターンを定常化しておく
楽天銀行に限らず、ネット銀行全般では不正送金対策を非常に厳格に行っているため、口座名義と実際の操作主体が異なる場合は警戒されやすくなります。
まとめ:ネット銀行の振込停止は安全のための措置
ネット銀行で振込が保留されたり、資金が一時的に使用不能になるケースは、セキュリティ強化の一環として正当な措置です。特に家族間でも口座名義が異なり、本人確認が取れない場合には慎重な対応が求められます。
今後、似た状況を避けるには、本人による事前の振込予約や、家族信託・代理人登録など法的な準備を進めておくことが重要です。
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