転職や休職が絡む場合、傷病手当金の申請条件が複雑になることがあります。特に「退職後〜再就職前」の数日間について「申請可能かどうか」で悩む方は多いです。今回は、前職で休職・退職後に就職した方が、退職日翌日から次の勤務先の入社日までの期間について傷病手当金を受け取れるかどうか、その条件や注意点をわかりやすく解説します。
傷病手当金とは?基本ルールをおさらい
傷病手当金は、健康保険に加入している人が業務外の病気やケガで働けなくなり、給与の支払いがない場合に受給できる制度です。
- 連続する3日間の待期期間のあと、4日目から支給対象
- 支給条件:労務不能・給与支給なし・被保険者資格あり
- 支給期間は最長1年6か月
退職後も条件を満たせば引き続き受給できる「継続給付」があります。
退職後の継続給付は「退職日当日までに受給要件を満たしていたか」が重要
退職後に傷病手当金の申請が可能かどうかは、退職日までに待期期間を含む受給要件を満たしているかどうかがカギです。
今回のように「4月から休職し、5月10日に退職」という状況では、在職中に待期完成・支給開始がされていれば、退職後も申請可能です。つまり、5月11日〜19日の間の分も、条件を満たせば傷病手当金の対象期間になります。
再就職が影響する?5月20日以降はどうなるか
新しい職場で勤務を開始し給与が発生している場合、その日以降は傷病手当金の対象外となります。労務に就いており、給与が支払われているからです。
ただし、5月11日〜19日の間に就労しておらず、医師の意見書により「労務不能状態」が継続していたことが証明されれば、前職の健康保険組合への申請で支給を受けられます。
申請の流れと必要書類
5月11日〜19日分の傷病手当金を申請するためには、以下のステップを踏みます。
- 前職の健康保険組合に「退職後の継続給付」として申請
- 医師の意見書(傷病手当金申請書:労務不能の証明)が必要
- 申請対象期間に他からの給与がないことを証明する(離職票や前職給与明細等)
退職時に会社から「資格喪失証明書」をもらっている場合は、それも提出資料となることがあります。
新しい職場への影響はある?申請しても問題ないのか
退職後の傷病手当金の申請は、前職の健康保険に対する手続きであり、再就職先には直接影響しません。申請内容が現職の給与や社会保険手続きに干渉することは基本的にありません。
ただし、再就職前後の期間に傷病手当金を申請することを理由に、現職へ虚偽の申告をしてはいけません。実際に就業可能な状態であった場合の申請は虚偽となり、問題になる可能性があります。
まとめ:5月11日〜19日分も条件次第で申請可能。早めの対応を
傷病手当金は退職後も一定条件を満たしていれば申請可能であり、退職日翌日〜再就職前のブランク期間もカバーできることがあります。
5月11日〜19日の分についても、医師の証明・労務不能・給与支給なしという3点が確認できれば、支給対象となる可能性が高いです。
申請期限や必要書類の準備には時間がかかるため、早めに前職の健康保険組合へ連絡し、適切な対応をとりましょう。
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