学生納付特例を使った人が追納すべきか？判断のポイントと注意点を解説

学生時代に経済的な理由から「国民年金の学生納付特例」を利用した人は少なくありません。しかし社会人になってから「追納すべきかどうか」で悩む人も多いのではないでしょうか。本記事では、追納のメリット・デメリットや判断基準を具体的に解説し、将来の年金受給への影響も含めて考察します。

学生納付特例とは？基礎知識の確認

学生納付特例制度とは、学生本人の所得が一定以下である場合に、国民年金保険料の納付を猶予してもらえる制度です。未納とは異なり、将来的に追納すれば納付扱いにできる点が特徴です。

この制度を利用した期間は「年金加入期間」にはカウントされますが、追納しない限り将来の年金受給額には反映されません。

追納をすべきかどうかを考える上では、次のような点がポイントになります。

追納は最長10年まで可能ですが、2年を過ぎると「加算金」がつくため、早めの対応がおすすめです。

追納を行うことで、将来受け取る老齢基礎年金が増えるという明確なメリットがあります。2025年度の基準で考えると、1ヶ月あたりの納付で年間で約1,700円前後年金額が増えます。

例えば、2年間分（24ヶ月）を追納すれば、年金受給額が年間で約4万円増加する計算になります。長生きするほど、この差は大きくなります。

追納しなかった場合、将来的に受け取る年金額が少なくなるというデメリットがあります。特に老後の生活資金に不安がある人にとっては重要な判断材料です。

また、障害年金や遺族年金を受け取る際にも、納付期間が問われる場合があります。その点でも未納ではなく「追納する意思があるか」は重要な意味を持ちます。

ある30代会社員の方は「年金は将来不安だけど、自分の老後資金の一部と割り切って追納した」と話しています。月々の支払いではなく、一括で2年分を納めたとのことです。

一方で、20代の別の人は「将来インフレや制度改正があるかもしれないから、今は追納しない」と判断しています。生活に余裕ができたら検討するスタンスです。

追納は最寄りの年金事務所で手続きできます。本人確認書類と基礎年金番号が必要です。対象期間から10年を過ぎると追納ができなくなるため、時効に注意しましょう。

また、2年以上経過した月については、通常の保険料に加えて「加算金」が上乗せされます。できるだけ早く追納することが経済的にも有利です。

学生納付特例を利用した方にとって、追納は年金受給額を増やす手段として非常に有効です。ただし、今の生活状況や資金繰りを踏まえ、無理のない範囲で判断することが大切です。

将来の安心を少しでも確保したい方や、老後資金に不安がある方は追納を検討してみてはいかがでしょうか。迷った場合は、年金事務所やファイナンシャルプランナーなど専門家への相談もおすすめです。