障害年金を受給している方にとって、国民健康保険料の負担は家計に大きく影響する問題です。実際に、年金しか収入がない場合でも保険料が請求されることがあるため、その仕組みや軽減措置について知っておくことはとても大切です。
国民健康保険料の基本構造
国民健康保険料は、所得割、均等割、平等割、資産割など、複数の要素から構成されています。市区町村ごとに計算方法や金額は異なりますが、基本的には次のような要素をもとに算出されます。
- 前年の所得(年金含む)
- 世帯の人数
- 固定資産税など(資産割がある自治体)
そのため、障害年金を受給しているだけであっても、所得とみなされる部分がある場合は保険料がかかる可能性があります。
障害年金は所得に含まれるのか
障害年金そのものは、所得税法上は非課税所得であり、多くの自治体では国民健康保険料の所得計算にも含まれません。
ただし、同じ世帯に年金以外の収入がある方がいる場合や、障害年金以外に収入がある場合は、その分が所得とみなされるため保険料の対象になります。
軽減制度や減免措置を活用しよう
障害年金受給者が国民健康保険料の支払いが困難な場合、多くの市区町村では保険料の減額・免除(減免制度)があります。以下のような制度が用意されていることが一般的です。
- 所得割の軽減(所得が一定以下の場合)
- 均等割・平等割の軽減(7割・5割・2割)
- 災害や失業・傷病による特別減免
制度の利用には申請が必要で、役所の保険年金課などへ申請書類や所得証明書、障害年金証書などの提出が求められます。
実例:東京都の例で見る軽減措置
たとえば東京都足立区では、前年の合計所得金額が33万円以下であれば、均等割と平等割が7割軽減される制度があります。障害年金のみで生活している場合、この条件に該当するケースが多くなります。
また、申請によってさらに特別な減免措置が受けられる場合もあるため、必ずお住まいの市区町村の制度を確認してください。
世帯単位での影響にも注意
国民健康保険料は「世帯ごと」に計算されるため、同じ世帯に高所得者がいると、障害年金受給者本人の収入が少なくても、保険料の軽減対象とならないことがあります。
このような場合、世帯分離(住民票上の世帯を別にする手続き)を検討することで保険料が軽減されることもありますが、社会保障制度全体への影響もあるため、慎重な判断が必要です。
まとめ:申請と確認が負担軽減のカギ
障害年金を受給している場合でも、国民健康保険料がかかるケースはありますが、多くの自治体で減免制度が用意されています。大切なのは、制度の存在を知り、必要に応じてきちんと申請することです。
困ったときは、お住まいの役所や社会保険労務士、福祉関係窓口に相談してみましょう。制度を活用し、安心して生活できる環境を整えることが大切です。
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