身内が亡くなられたあと、葬儀や法的手続きと並行して突然直面するのが「銀行口座の凍結」です。特に都市銀行などでは、口座の凍結が迅速に行われることもあり、葬儀直後にATMから現金が引き出せなくなる事態も少なくありません。本記事では、口座凍結の仕組みと解除手続き、そして凍結後のお金の扱いについて解説します。
なぜ死亡後に口座が凍結されるのか
口座名義人が死亡した場合、その時点で預金は法的には相続財産となります。銀行では、相続人間でのトラブルを防ぐためにも、死亡の事実を把握した時点で口座を凍結し、出金や振込ができない状態にします。
これは、どんなに親しい家族であっても例外ではなく、配偶者や子どもであっても本人になりすまして預金を引き出すことは法律上認められていません。
凍結はいつ、どうやって行われるのか
口座の凍結は、以下のようなきっかけで行われることがあります。
- 金融機関に遺族が死亡の連絡を入れた場合
- 公的機関（市役所など）からの通知が届いた場合
- 新聞のお悔やみ欄などの情報から銀行が察知した場合
死亡届が提出されると、市役所から銀行へ連携されることもあり、早ければ翌日には凍結されることもあります。
凍結後にできること・できないこと
できないこと：ATMやネットバンキングを利用した出金・振込・自動引き落としなどはすべて停止されます。
できること：葬儀費用や公共料金など、必要最低限の支払いについては、金融機関の判断で例外的に引き出せる場合があります。ただし、事前に申請が必要です。
凍結された口座のお金はどうすればいい？
口座の預金を引き出すには「相続手続き」を行う必要があります。一般的な手続きの流れは以下の通りです。
- 戸籍謄本などで法定相続人を確認
- 相続人全員による「遺産分割協議書」を作成
- 本人確認書類・印鑑証明書を提出
- 銀行の所定の申請書を記入・提出
すべての書類が揃った後、銀行が内容を確認して問題がなければ、指定の相続人に口座残高が払い戻されます。
もし急ぎで現金が必要な場合はどうする？
凍結された口座にしか現金がない場合、家族の生活費や葬儀費用などで困ることもあります。その場合は、銀行に事情を説明して一部の引き出しを相談しましょう。
また、亡くなった方の口座とは別に、ご自身の預金口座を用意しておくことも大切です。
まとめ：口座凍結は一般的な手続き、落ち着いて対応を
銀行口座が凍結されるのは不正な操作を防ぐための一般的な措置です。驚くかもしれませんが、相続手続きを進めることで正当な方法でお金を動かすことが可能です。
あらかじめ必要書類や流れを把握し、遺族で協力して手続きを行うことが、円滑な相続と生活の維持に繋がります。
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