18歳を迎え成人となると、これまで親が管理していた銀行口座も本来自分で自由に使えるようになります。しかし現実には、通帳やキャッシュカードを親が渡してくれないといったケースも少なくありません。この記事では、成人後の銀行口座の扱いや、親からの管理が続いている場合の適切な対応について解説します。
成人になったら口座は本人の管理に
日本では2022年4月から民法が改正され、成人年齢が18歳に引き下げられました。これにより、18歳からは親の同意なしで契約を結ぶことができ、自分の名義の銀行口座も原則的には本人の自由に使うことができます。
銀行の規約にも、多くの場合「口座名義人本人以外は利用できない」と定められています。つまり、18歳を過ぎた時点でその口座は法律上「本人の財産」とみなされます。
親が通帳やカードを渡してくれないとき
口座が自分名義であっても、通帳やキャッシュカードが親の手元にあり自由に使えないというケースは少なくありません。このような場合、まずは冷静に話し合いをすることが重要です。親もお金の使い道に不安を感じているのかもしれません。
しかし、どうしても渡してもらえない場合は、銀行に相談して再発行や口座管理の変更を依頼することも可能です。本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)を持参して、窓口で状況を説明しましょう。
勝手に通帳を持ち出して送金するのはリスク大
仮に自分名義の口座であっても、家族間のトラブルが背景にある場合、無断で通帳を持ち出して送金する行為は避けたほうがよいです。家族間であっても、故意に無断でお金を動かせばトラブルの火種となりかねません。
また、もし親が「勝手に持ち出された」と感じた場合、思わぬ法的トラブルに発展する可能性もあるため、正当な手順を踏むことが望まれます。
銀行でできる対処方法
銀行では、以下のような手続きが可能です。
- キャッシュカード・通帳の再発行
- 暗証番号の再設定
- インターネットバンキングの利用登録
いずれも、本人確認書類と印鑑(必要な場合)を持参し、銀行窓口で対応してもらえます。特に「親が通帳を返してくれない」と伝えれば、銀行も配慮してくれるケースが多いです。
親との信頼関係を大切にしながら自立を
口座管理の主導権を持つことは、自立への第一歩です。しかし、親との関係がこじれると生活全体に悪影響が出る場合もあります。大切なのは「お金を自由に使いたい」ではなく、「自分の財産を自分で責任をもって管理したい」という意志を伝えることです。
例えば、「奨学金の振込口座に使いたい」「アルバイト代を管理したい」といった具体的な理由があれば、親も納得しやすくなるでしょう。
まとめ:成人後は自分で管理、ただし冷静な対話と正当な手続きを
18歳を過ぎたら、自分名義の銀行口座は原則として本人が自由に使えます。しかし、親との信頼関係や感情が絡むこともあるため、冷静な話し合いと銀行を通じた正式な手続きが最も安全で確実な方法です。感情的にならず、一つ一つステップを踏むことが円満な自立への鍵となります。
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