クレジットカードやローンの支払い遅延、延滞、債務整理などの履歴が信用情報に記録されると、いわゆる「ブラックリスト状態」になります。異動情報が2件以上登録されると、金融機関の審査においてかなり不利になるのは事実です。本記事では、異動情報が与える影響や回復までの流れについて詳しく解説します。
信用情報における「異動」とは
異動とは、信用情報機関に記録される「重大な支払い遅延や債務整理等の履歴」を指します。たとえば、61日以上の延滞や、自己破産、任意整理、強制解約などが該当します。これはCICやJICC、全国銀行個人信用情報センター(KSC)などの信用情報機関に記録され、各金融機関の審査に利用されます。
特に異動が2件あると、「返済に重大な問題がある人物」と判断されやすく、審査通過は極めて困難になります。
異動があると何が起きるか
クレジットカードの利用中であっても、途上与信と呼ばれる中間審査により、利用停止や契約解除となることがあります。また、次のような影響も想定されます。
- 新規のクレジットカードやローン審査はほぼ通らない
- 住宅ローンなど大口の借り入れも不可能に近い
- 携帯電話の分割払い契約が通らない場合も
すでに契約済みのカードも、異動情報の発覚後に強制解約されることがあります。
信用情報が回復するまでの年数
異動情報が信用情報機関に記録された場合、多くは「完済後5年」で情報が削除されます。ただし、以下のようなケースで変動します。
- 自己破産:10年(KSCでは最長)
- 延滞:完済していない限り情報は残る
- 任意整理:完済から5年が目安
つまり、異動が2件ある場合でも、完済後5~10年経てば信用情報は回復に向かいます。
回復までにやるべきこと
まずは信用情報の開示請求を行い、自分の異動内容を正確に把握することが重要です。それぞれの信用情報機関(CIC・JICC・KSC)で開示できます。
次に、延滞している債務がある場合は、できるだけ早く完済しましょう。異動情報は完済しなければ永久に消えないこともあるからです。
また、金融事故後は、携帯電話の料金支払いをきちんと継続する、家賃の延滞を避けるなど、日常的な信用行動を丁寧に積み上げることも信頼回復の近道です。
周囲にもいる?2件異動の事例
実際、2件の異動が記録されている人は少なくありません。たとえばコロナ禍で職を失い、複数のカードの支払いが滞ったケースも多く報告されています。
それでも5年〜10年かけて信用を回復し、再びクレジットカードやローンが使えるようになった人もいます。つまり、回復は可能です。
まとめ
信用情報に2件の異動が記録されると、信用取引は大きく制限されますが、完済後に時間をかければ信用を取り戻すことは可能です。焦らず、まずは債務の整理と信用情報の確認から始め、生活の中で少しずつ信頼を積み重ねていくことが大切です。
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