「家計簿上は毎月20万円の余裕があるはずなのに、なぜかお金が残らない」と感じた経験はありませんか?とくにフリーランスや自営業の方にとって、収入の波や支出の見落としによって家計がカツカツになることはよくあります。本記事では、エクセルで家計簿をつけているのに残高が合わない原因とその解決策について詳しく解説します。
年間平均では見えない「月間キャッシュフロー」の落とし穴
年間の収入から経費を引いた金額を12ヶ月で割る方法は、「理論的な平均値」を示すに過ぎません。たとえば、月50万円の収入がある月もあれば、10万円しかない月もあるというように、月ごとの波を無視してしまうと、実際には赤字になる月も発生します。
特に自営業の場合は「稼いだ月」と「請求書を出しただけの月」がズレていることもあり、キャッシュの流れ=実際に口座に入るお金の動きを重視する必要があります。
クレジットカード支払いの時差に注意
経費や生活費の多くをクレジットカードで支払っている場合、「今月使ったお金」は実際には「来月以降に請求される支出」となります。この時差により、感覚的には余裕があっても、後から請求が集中して資金繰りに苦しむ原因になります。
対策としては、カード利用額を「利用日」ではなく「引き落とし月」に紐づけて管理することが有効です。
見えない支出:「使途不明金」の正体
家計簿には記載されていない「使途不明金」が家計を圧迫しているケースは多いです。自販機、ATM手数料、スマホアプリのサブスク、コンビニの少額支出など、記録し忘れやすい支出はありませんか?
1ヶ月の中で現金やカード履歴と家計簿を照合し、「家計簿に記録した額」と「実際の口座残高」が一致しているかをチェックする習慣を持つことで、ズレに気づけます。
「突発的な支出」が月間のバランスを崩す
冠婚葬祭、家電の買い替え、税金や保険料の年払いなど、通常の生活費とは別の大型支出が発生すると、一気に資金繰りが厳しくなります。
これらは家計簿では「特別費」や「年単位支出」として別枠管理し、月々1/12ずつ積立を行うことでキャッシュフローが安定します。
エクセル家計簿に追加すべき管理項目
より実態に近い家計管理を行うために、次のような項目の追加を検討してみましょう。
- 月ごとの実収入(手取りベース)
- クレジットカードの引き落とし予定額
- 月末時点の現金・預金残高
- 突発支出の履歴
- 先取り貯蓄・積立額の記録
また、月単位での損益だけでなく、資金残高の推移グラフを可視化することで、手元に「現金があるかどうか」が感覚的に理解しやすくなります。
事例紹介:月20万円余るはずなのに赤字のケース
ある自営業者の方は、年間収支では黒字なのに、毎月赤字感覚が抜けないと悩んでいました。原因を追跡すると。
- 月収は40万円〜5万円までばらつきがある
- カードの支払いが翌々月にずれ、感覚的に狂う
- AmazonやPayPayなど電子マネー決済が漏れている
上記の点を家計簿に組み込み、月ごとの現金残高を可視化したことで「なぜ赤字なのか」が明確になり、貯蓄も再開できました。
まとめ:家計管理は「平均」ではなく「実際の流れ」を見る
エクセル家計簿で予算を立てても、お金が残らない理由は「実際のキャッシュフロー」と「帳簿上の数字」が一致していないことにあります。特に自営業や変動収入の方は、月ごとの収支や支払いタイミングを重視した家計管理が必須です。
まずは「実際に何にお金を使ったか」「現金や口座残高がどう推移しているか」を見える化して、根本原因を突き止めていきましょう。
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