健康保険未加入で入院・手術した場合の自己負担額とは?心筋梗塞などの高額医療費のリスクと対策

国民健康保険

突然の病気で緊急搬送された際、もし健康保険に加入していなかった場合、医療費は全額自己負担となり、多額の請求が発生する可能性があります。特に心筋梗塞のような救急搬送・手術・入院が伴うケースでは、数十万円から数百万円規模の出費も想定されます。本記事では、健康保険未加入時の費用リスクと、後からできる対処法について解説します。

健康保険未加入だと医療費は全額自己負担

日本の公的医療保険に加入している場合、病院での治療費の自己負担割合は通常3割(70歳以上は1~3割)ですが、未加入者は100%を自己負担しなければなりません。

心筋梗塞での入院・手術の場合、治療内容によっては数百万円規模となることもあります。例として、冠動脈バイパス手術を受けて10日間入院した場合、保険適用であれば30万円前後の自己負担ですが、未加入の場合は100万円〜300万円以上かかる可能性もあります。

心筋梗塞の治療費例:どれくらいかかる?

心筋梗塞は以下のような医療行為が発生します。

  • 緊急搬送(救急車・救命処置)
  • カテーテル検査・治療(PCI)
  • 冠動脈バイパス手術
  • 集中治療室(ICU)管理
  • 10日~3週間程度の入院

保険適用ありの場合でも、総医療費が200万円を超えるケースは少なくありません。未加入だとこれらすべてを全額支払うことになります。

高額療養費制度は未加入だと利用不可

健康保険加入者であれば「高額療養費制度」により、1か月あたりの自己負担上限が収入に応じて数万円〜十数万円に抑えられます。しかし、未加入の場合はこの制度の対象外です。

たとえば、年収300万円の方であれば自己負担の上限は約87,430円ですが、保険未加入の場合はこの軽減措置が受けられず、全額支払うことになります。

健康保険の「さかのぼり加入」で救済できる場合も

実は退職や失職後に保険未加入となっていた場合でも、市区町村に申し出ることで「国民健康保険へさかのぼり加入」できる可能性があります。この手続きを行えば、高額療養費制度も適用され、過剰な自己負担を回避できる場合があります。

さかのぼり加入が認められるには、無保険期間中の所得申告や保険料の納付が条件になるため、早めに役所へ相談するのがポイントです。

緊急時の支払いが困難なときの対処法

高額医療費が請求されたがすぐに払えない場合、以下の制度・手続きも検討できます。

  • 医療機関での分割支払いの相談
  • 生活福祉資金貸付制度(市区町村経由)
  • 生活保護の申請
  • 民間医療費支援制度の活用

また、医療費の一部が税金控除の対象になる「医療費控除」も活用できるため、領収書などは大切に保管しましょう。

まとめ:医療費のリスクに備えて保険加入を忘れずに

健康保険未加入で入院や手術が必要になると、数十万円〜数百万円の医療費が自己負担となり、生活に大きな負担が生じます。万が一の事態に備えて、公的保険への加入と保険料の納付は不可欠です。もし未加入の状態で入院した場合は、早急に市区町村窓口へ相談し、可能な限り救済措置を講じることが重要です。

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