転職や引越し、保険の切り替えのタイミングなどで、健康保険証が2枚手元にあるという状況になることがあります。一見便利に見えるかもしれませんが、実はこの状態を放置しておくとトラブルの原因になることも。本記事では、健康保険証が2枚ある理由や、片方を捨ててよいかどうか、正しい対処法までわかりやすく解説します。
健康保険証が2枚になる主な理由
健康保険証が重複して手元に届くのは、主に以下のようなケースが考えられます。
- 転職して新しい会社の保険証が届いたが、前職の保険証がまだ手元にある
- 国民健康保険から会社の健康保険(協会けんぽや組合)へ切り替わった
- 被扶養者から本人加入に変更された
- 発行ミスで2枚届いてしまった
いずれのケースでも、2枚の保険証を使い分けることは絶対にしてはいけません。同時に複数の保険に加入することは、健康保険法違反となる場合があります。
古い健康保険証は捨てていいのか?
使用が終了した保険証は、自己判断で破棄するのではなく、必ず返却や破棄のルールに従って処理する必要があります。たとえば、会社を退職した場合は、その会社から発行された保険証は速やかに会社に返却する義務があります。
もし返却不要となっている場合でも、シュレッダーなどで個人情報を確実に処理した上で破棄することが重要です。ゴミ箱にそのまま捨てるのは、情報漏えいリスクが高く非常に危険です。
誤って両方使ってしまったらどうなる?
うっかり古い保険証を使って医療機関を受診してしまった場合、後日保険者から「返還請求」が届くことがあります。これは「資格喪失後の保険証使用」と見なされ、保険者側が医療機関に支払った費用の一部を本人が負担することになるケースです。
たとえば、転職後に新しい保険証が届いたのに、古い保険証で病院を受診したFさん(40代男性)は、後日数千円の返金を求められました。保険証が手元に複数ある場合は、必ず現在有効なものだけを使うようにしましょう。
どちらが有効?健康保険証の見分け方
有効な健康保険証を見分けるには、以下のポイントをチェックしましょう。
- 交付年月日:新しい保険証の方が通常有効です
- 保険者番号:会社や保険組合が変わった場合は番号が異なります
- 有効期限:一部の保険証には有効期限の記載があります
迷った場合は、勤務先や市区町村の窓口、保険組合に問い合わせるのが確実です。
重複加入と二重納付のリスクにも注意
まれに、国民健康保険と社会保険の両方に重複して加入してしまい、保険料を二重で請求されることもあります。こうしたケースでは、市区町村に申し出れば国保の脱退手続きが可能で、支払った保険料の返金手続きが行われることもあります。
自分がどの保険に加入しているか不安な場合は、「マイナポータル」や「ねんきんネット」などの公的サービスで確認することもおすすめです。
まとめ:2枚の健康保険証はどちらか一方が無効、正しく管理しよう
健康保険証が2枚ある場合、原則として1枚はすでに無効となっており、使用してはいけません。使い間違いによるトラブルや個人情報漏えいのリスクを避けるためにも、古い保険証は返却または適切な方法で破棄し、常に有効な保険証のみを使用するようにしましょう。
少しでも不安がある場合は、保険証の発行元に確認し、正しい対応を取ることが重要です。
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