特定口座(源泉徴収あり)で株の利益があっても、所得が20万円以下であれば原則として確定申告は不要です。しかし、住民税の申告が必要な場合や、あえて確定申告をしたいと考える方もいます。この記事では、申告不要なケースでも国税側で確定申告することは可能なのか、またその影響や注意点について詳しく解説します。
確定申告不要の条件とその意味
株式の譲渡益に関しては、特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合、税金が自動的に引かれるため、基本的には確定申告は不要です。特に年間の譲渡益が20万円以下の場合、所得税の確定申告義務はありません(ただし、住民税の申告が必要な場合があります)。
この制度は、納税者の手続きを簡略化するために設けられており、不要な申告を省くことができます。
申告不要でもあえて確定申告をするメリット
一部のケースでは、申告義務がなくても自発的に確定申告するメリットがあります。例えば以下のような状況です。
- 扶養控除や医療費控除などを合わせて申告する
- 住民税への反映を目的としている
- 確定申告書を市区町村に提出することで住民税申告の代替としたい
特に、確定申告書には「住民税に反映させる・させない」の選択項目があるため、住民税にも正しく反映させたい場合には有効な手段となります。
市区町村での住民税申告の代替手段として
市区町村によっては、所得税の確定申告書のコピーを提出することで住民税の申告が完了する場合があります。つまり、国税庁で提出した確定申告書を控えとして自治体に出せば、別途の住民税申告が不要になるケースが多くあります。
ただし、自治体ごとに対応が異なるため、事前に確認することが重要です。市区町村のホームページや窓口で「株式譲渡所得があるが、所得税は申告不要で、住民税のみ申告したい」旨を伝えると詳細がわかります。
確定申告しても問題ない?ペナルティの有無
結論から言えば、申告義務がない場合でも確定申告をすること自体には問題はありません。納税も還付も発生しない申告であっても、税務署で受け付けてもらえます。
また、申告不要な人が申告を行ったからといってペナルティが科されることもありません。税務署としても「申告内容に虚偽がない限り」正しく処理します。
実際の申告書作成時の注意点
確定申告書作成時には、「申告不要制度を適用しない」選択をすることで、特定口座の譲渡益も含めた申告書が作成できます。e-Taxや国税庁の確定申告書作成コーナーでは、その選択肢が明示されているため、迷わず入力できます。
また、住民税の課税方法について「特定口座で課税された株式譲渡益を住民税に反映させない」などのチェック項目もあります。これにより、住民税への影響をコントロールすることも可能です。
まとめ
申告不要のケースであっても、自発的に確定申告をすることは問題ありません。特に住民税の申告を市区町村で別途行うのが面倒と感じる場合は、国税側で確定申告しておくことで手続きを一本化できる可能性があります。ペナルティもなく、合理的な選択肢と言えるでしょう。迷った場合は、事前に市区町村に確認し、自身にとって最もスムーズな方法を選択しましょう。
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