9月から社会人になる方にとって、年末までの収入が少ない場合に「親の扶養に入るべきかどうか」は大きな関心事です。特に収入が100万円前後の場合、税金や社会保険の負担を考慮すると、扶養に入ることで得られる恩恵も少なくありません。本記事では、親の扶養に入るメリットや条件、注意点などをわかりやすく解説します。
扶養の種類と収入基準を整理しよう
扶養には主に2つの種類があります。一つは「所得税法上の扶養」、もう一つは「健康保険上の扶養」です。それぞれに収入の基準があるため、条件を確認しておくことが大切です。
- 所得税の扶養:年間所得が48万円以下(給与のみの場合は収入103万円以下)
- 健康保険の扶養:年間収入が130万円未満(かつ被扶養者の方が主たる生計維持者に依存している)
年内に100万円未満の収入であれば、所得税・健康保険の両方の扶養に入れる可能性が高いです。
年末までの短期勤務なら扶養に入る方が得なケース
たとえば9月から働き始め、年末までの収入が月20万円×4ヶ月=80万円だった場合、年間103万円未満なので、所得税上の扶養対象になります。
さらに、会社の健康保険に加入しない契約形態(週20時間未満など)であれば、健康保険の扶養にも入れる可能性があります。これにより、自分で国保・国民年金に加入せずに済み、保険料負担が軽減されます。
社会人でも親の健康保険の扶養に入れる条件
新社会人であっても、勤務形態や雇用契約の内容によっては健康保険の扶養に入れます。以下の条件を満たしていることが必要です。
- 勤務時間が正社員の3/4未満(一般的には週30時間未満)
- 年収130万円未満(60歳以上または障害者なら180万円未満)
- 親の扶養に依存して生活していると認められる
もし親が会社員で厚生年金加入者であれば、その会社の健康保険組合に申請することで、扶養認定を受けられる可能性があります。
扶養に入るメリットと注意点
扶養に入る最大のメリットは、保険料の自己負担がなくなる点です。特に社会人1年目は収入が不安定なため、出費を抑える意味でも非常に有効です。
ただし、来年以降は継続的に給与が発生するため、扶養から外れる必要が出てきます。また、会社によっては条件に関係なく自社の社会保険に加入を求める場合もありますので、事前に雇用条件をよく確認しておきましょう。
実例:大学卒業後すぐに扶養に入ったケース
大学を9月に卒業し、アルバイトで年収80万円程度だったAさんは、親の健康保険に扶養として入ったことで国保加入を免れ、月2万円以上の負担が減りました。
また、翌年4月から正社員として働き始めた際に、自社の社会保険へ加入し、扶養から外れたという流れでした。短期的な収入であれば、扶養に入ることで家計にもやさしい対応が可能です。
まとめ:収入見込みに応じて柔軟に判断しよう
年内の収入が100万円以下であれば、税制・社会保険両面で親の扶養に入るメリットは大きいです。ただし、雇用形態や勤務時間、親の保険種別によっても条件が異なるため、会社や保険組合に確認することが大切です。
将来の収入増加を見越しながら、今年限りの短期戦略として「扶養を活用する」という視点を持つことは、賢い選択の一つです。
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