退職後の無職期間にうっかり健康保険の手続きを忘れてしまうケースは少なくありません。マイナンバーカードと保険証の紐付けをしたことで安心していた、という誤解もよくある話です。本記事では、無職期間中に国民健康保険に加入していなかった場合のリスクと対応方法を具体的に解説します。
退職後の健康保険の切り替え義務とは
退職すると、それまで加入していた社会保険(健康保険)から脱退することになります。脱退後は原則として、以下のいずれかに加入しなければなりません。
- 国民健康保険(市区町村の窓口で加入)
- 任意継続被保険者制度(最長2年間、元の健康保険を継続)
- 家族の扶養に入る(被扶養者となる)
この切り替えをせずに過ごすと、「無保険状態」となり、医療費が全額自己負担となるリスクがあります。
国民健康保険は遡って加入できる
仮に無職期間に未加入だったとしても、今からでも国民健康保険に遡って加入することが可能です。ただし、加入手続きをするとその期間に応じた保険料が請求されます。
例:6カ月間未加入だった場合、6カ月分の保険料が一括で請求されるケースが一般的です。
場合によっては分割払いの相談もできますので、市役所の窓口で詳しく相談するのがよいでしょう。
未加入期間中に病気やケガがあった場合の影響
未加入期間中に医療機関を受診していた場合、医療費の一部(7割分)を遡って保険適用にできる可能性もあります。ただし、これは「遡って保険加入が認められた場合」に限られます。
そのため、未加入に気づいたらできるだけ早めに手続きし、領収書などの医療費明細を保管しておきましょう。
マイナンバーカードと保険証の紐付けの誤解
マイナンバーカードを保険証として利用する「マイナ保険証」の登録は、実際の保険加入とは別の手続きです。登録しただけでは保険に加入したことにはならず、自治体や会社に必要な届け出を行わないと無保険状態のままです。
多くの人がこの誤解で未加入になっているため、自治体の窓口で加入状況を確認することが大切です。
今からでもやるべき手続き
- 住民票のある市区町村の役所に行く
- 退職後の健康保険の脱退日を伝える(離職票や退職証明書があるとスムーズ)
- 国民健康保険への遡り加入を申請する
申請後は保険証が発行され、必要に応じて未納期間の保険料が請求されます。
まとめ:手続きは今からでも遅くない、放置せず行動を
健康保険は万が一のときに大きな助けとなる大切な社会保障制度です。無職期間中の未加入に気づいたら、早めに国民健康保険に遡って加入することで、将来のトラブルを防ぐことができます。
今からでも遅くはありませんので、市役所の国保担当窓口で状況を説明し、しっかりと加入手続きを行いましょう。
コメント